Mac買い替えで厳選!理科教師が「画像圧縮ソフト」を即インストールする科学的な理由
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
Macを新しく買い替えました。新しいパソコンの箱を開ける瞬間は、何度経験してもワクワクしますね。現在は、古い環境からいろいろなデータの引っ越しをしている最中です。これを機にパソコンの中身も断捨離して、できるだけアプリは増やしたくはないなと思っています。余計なものを削ぎ落として、シンプルに使いたいものです。そんな「アプリ厳選派」の私ですが、どうしても外せず、すぐにインストールし直したソフトがあります。それが「imageOptim」です。

魔法のような「画像圧縮」の仕組みとは?
このソフトは、画像のサイズを圧縮するソフトです。使い方はとても簡単で、右クリックをしてimageOptimizeというボタンを押すだけ。それだけで、見た目はほとんど変わらないのに、データ容量だけを劇的に軽くしてくれる、毎日使っていてとても便利なソフトです。でも、不思議に思いませんか?「なぜ写真は同じように見えるのに、データだけ小さくなるのか?」と。実はここには、私たち人間の「目の特性」を逆手に取った科学的なトリックが隠されているのです。
人間の目は「色」に鈍感?
私たちが普段見ているデジタル画像(JPEGなど)の圧縮技術には、生物学的な知見が応用されています。人間の目の網膜には、光の明暗を感じる細胞と、色を感じる細胞の2種類があります。実は、人間の目は「明るさの変化」には非常に敏感ですが、「色の細かな変化」には意外と鈍感にできているのです。
画像圧縮ソフトは、この性質をうまく利用しています。 人間が気づきやすい「輪郭(明るさの情報)」はしっかり残しつつ、人間が気づきにくい「微妙な色の変化(色の情報)」を大胆に間引いて捨てているのです。つまり、コンピューターが「人間にはどうせ見分けがつかないだろう」と判断した部分をカットしてくれているわけですね。なんだかコンピューターに試されているようで面白いですが、これがデータダイエットの正体です。
デジタル空間も「断捨離」して快適に
不要なデータ(人間には見えない情報)を削ぎ落とすことで、パソコンの容量も節約でき、Webサイトの表示速度も上がります。もしブログや資料作成でのサイズ調整などでお困りの方は、ぜひ入れてみてくださいね。人間の目の仕組みと、デジタルの技術。一見関係なさそうな事柄が、実は密接につながっていることに気づくと、いつもの作業も少し楽しくなりますよ。
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