【お家で科学実験】音は触れる!?風船とアルミ箔で「音の正体」を捕まえよう
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
突然ですが、みなさんは「音」を触ったことはありますか?「えっ、音なんて目に見えないし、触れるわけないじゃん!」 そう思うのが普通ですよね。普段私たちは、音を耳で「聞く」ものとして捉えています。でも実は、音の正体は空気の「波」。れっきとした物理的な力を持っているんです。

今日は、どこの家庭にもある「アルミホイル」と「風船」を使って、普段は見えない「音の正体」を指先や唇で感じる実験をご紹介します。まるで魔法のように、自分の声が物体を動かす瞬間を体験してみましょう!小学校の理科で、太鼓を叩くと膜が震える様子を見たことがあるかもしれません。では、その震えはどうやって空気を渡り、私たちの耳まで届いているのでしょうか? 今日はそのミステリーを解き明かします。
まずは、百聞は一見にしかず。こちらの実験動画をご覧ください。
実験1:アルミホイルで「声の形」を感じる
まずはキッチンにあるアルミホイルを使った実験です。 やり方はとても簡単。アルミホイルを小さく切り取り、それを口元に軽く当てて「アーーー」と声を出してみてください。

すると……どうでしょう? 唇に触れているアルミホイルが、ビリビリと細かく震え始めるのがわかるはずです。

これは単に息がかかって動いているのではありません。 私たちが声を出すとき、喉にある「声帯」が震えています。その震えが空気を揺らし、その空気の揺れがアルミホイルにぶつかって、アルミホイル自身を振動させているのです。
これが、「音が伝わる」という現象の正体です。自分の声がエネルギーとなって、物体を動かした証拠なんですよ。
実験2:風船は「巨大な鼓膜」?
次は風船を使ってみましょう。風船を膨らませて、両手で優しく包むように持ってください。 そして、風船に向かって大きめの声で話しかけてみてください。手元に集中すると、風船の表面がブルブルと震えているのを指先で感じ取れるはずです。

実はこれ、私たちの耳の中で起きていることと全く同じなんです。 私たちの耳の奥には「鼓膜(こまく)」という薄い膜があります。空気中を伝わってきた音の振動が鼓膜を揺らすことで、私たちは初めて「音」として認識できます。
つまり、この実験における「膨らんだ風船」は、私たちの「鼓膜」の模型そのもの。 風船が空気の振動をキャッチして震えるように、今まさに皆さんの耳の中でも、鼓膜が私の声(この記事を読み上げている音)を受け止めて震えているんですよ。そう考えると、なんだか感動しませんか?
音は「エネルギー」だ!
いかがでしたか? アルミホイルや風船を使うことで、目に見えない音が「振動」として伝わっていく様子を体感できたと思います。
大きな花火大会で体に「ドン!」と響く音を感じたことがあるなら、それも同じ原理です。音はただの情報ではなく、空気を押し動かす「エネルギー」なのです。
ぜひご自宅でも試してみてください。お子さんと一緒に「声で風船をくすぐってみよう!」と遊んでみるのも楽しいですよ。不思議と科学が結びつく瞬間を、ぜひ楽しんでくださいね。
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