ペットボトルの中に雲が出現!? 圧力と温度の理科実験(シュポシュポくん)
雲はペットボトルの中でも作れる!?―圧力と温度の関係を可視化する実験
暑い日や部活終わりの生徒たちに人気の炭酸水。みなさんは飲みかけの炭酸が「すぐ抜けてしまう!」という経験、ありませんか?そんなときに便利なのが、「ソーダフレッシュ」や「シュポシュポくん」と呼ばれる器具。ペットボトルに取りつけてポンプで空気を送り込み、内部を加圧することで、炭酸ガスが逃げにくくなるという優れモノです。
ソーダフレッシュ(amazon)
でも実はこの器具、理科の授業にもぴったりの教材になるのです。
ソーダフレッシュで「加圧」→ペットボトル内の温度が上がる!
この器具を使ってペットボトルを加圧してみると、中の温度がじわじわと上がっていくのがわかります。これをサーモグラフィなどで測定すれば一目瞭然。なぜ温度が上がるのでしょうか?
→ 圧力が上がると、分子の運動が活発になり、温度が上がるからです。
この「圧力と温度の関係」を実感できるという点でも、非常に良い教材です。
ペットボトルの中に“雲”を作る実験!
この原理を使って、ペットボトルの中に雲を作る実験ができます。
準備物:
• 空のペットボトル(炭酸対応の丈夫なもの)
• ソーダフレッシュ(加圧器)
• 水(少量)
• 線香(または蚊取り線香)
実験①:水だけでやってみる
1. ペットボトルに少量の水を入れて軽く振り、中を湿らせてから水を捨てる
2. ソーダフレッシュで加圧する
3. ペットボトルの内部温度が上がる(=飽和水蒸気量が増える)
4. その状態で一気に減圧(蓋を開ける)すると、温度が急に下がる
5. → 空気中の水蒸気が飽和し、わずかに曇りが発生する
肉眼では「ちょっと曇ったかも…?」程度で、やや地味な印象です。
実験②:線香の煙を入れてみる
次に、ペットボトル内に線香の煙をほんの少し入れてから、上と同じ手順で実験を行うと…
→ 今度ははっきりと「雲」ができる様子が観察できます!
線香の煙は、空気中の微粒子(エアロゾル)を模していて、**水蒸気が凝結するときの“核”**の役割を果たしてくれます。
この実験は、生徒たちにとって
• 「温度・圧力と状態変化の関係」を体感できる
• 「雲の正体」について興味を持てる
• 「**空気中の目に見えない要素(エアロゾル)**が重要である」ことに気づく
という、理科的な気づきがたくさん得られる教材になります。
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