グラフが逆さまになる理由 ばね振り子を2つのセンサーで記録してみた

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

「ばねにぶら下がった物体が、上下に揺れる」

ただそれだけのことのように見えて、その動きの中には、物理学の美しい法則が隠れています。今回は、2つのセンサーを使ってばね振り子の運動をリアルタイムで記録し、グラフに現れた「ある面白い関係」をご紹介します。

2つのセンサーで、見えないものを見る

今回使ったのは、2種類のセンサーです。一つ目は距離センサーで、振り子の下に取り付け、センサーと物体の間の距離をリアルタイムで測定します。二つ目は力センサーで、物体に働く力を測定します。この力は物体の加速度に比例するため、力のグラフは加速度のグラフと同じ形になります。
センサーが記録する様子は、こちらの動画でご覧いただけます。

グラフに現れた「逆位相」の謎

記録されたグラフを見て、まず目に飛び込んでくるのが、距離センサーと力センサーのグラフが「逆位相」になっているという事実です。一方のグラフが山になっているとき、もう一方は谷になっている――まるで鏡に映したような関係です。


これは数式でも説明できます。変位(距離)を時間で2回微分すると加速度になり、加速度は力に比例するというニュートンの法則がそこに現れています。ばね振り子では、物体が最も遠ざかったとき(変位が最大)、ばねが最も強く引き戻そうとするため力(加速度)も最大になります。つまり、距離が最大のとき力も最大。しかし向きが逆なので、グラフは逆位相を描くのです。

数式より先に、実験が語りかけてくる

この関係は、教科書の数式を追えばたしかに導き出せます。しかし、センサーのグラフがリアルタイムで波打ちながら「逆位相」を描き出す瞬間を目にすると、数式だけでは味わえない「あ、本当にそうなっている!」という実感が生まれます。物理の面白さは、式の美しさだけでなく、それが現実の世界で静かに、確かに働いていることを「見た」瞬間にあるのかもしれません。

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