15万ボルトの静電気発生装置の中身って?バンデグラフを開けてみた

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。 

静電気発生装置であるバンデグラフ。この装置の名前、ちょっと覚えにくいのですが発明者の名前です。ロバート・ジェミソン・ヴァン・デ・グラフという人が発明したもので、当時は粒子の加速器の用途として使われていたそうです(wiki参照)。

私が使っているナリカ製のものだと15万ボルトもの電圧で、湿度の高い日でも実験をすることができます。

スクリーンショット 2015-10-06 23.21.10

なんとなくマッドサイエンスみたいに見えてしまうこのバンデグラフですが、中身がどうなっているのでしょうか。実はパカっとあけることができます。中をあけてみると驚くかもしれません。この球の中には驚くほど何も入っていないからです。あけた球の中に360°カメおいて撮影してみました。

ぱか!バンデグラフから見た世界!原理丸わかり。 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

ぜひ画像をタップしていろいろ動かしてみてください。バンデグラフの中から見た様子がよくわかります。撮影をした部屋は理科室です。ざっと見回してから、下の方をみていくと、バンデグラフの中身がよくみえますよね。

なにやらベルトのようなものがあるのがわかります。私がもっているナリカ製のバンデグラフの仕様をHPで確認してみると…

ゴムベルトのローラーによって発生した静電気をドーム(集電球)に導き、蓄電させて高圧静電気を発生させています。

<仕様>
●発生電圧:最大約15万V
●放電距離(約):最大110mm(湿度40%時)、梅雨時60mm以上(実測値)
●集電球:φ約215mm
●放電球:φ約115mm
●電源:AC100V 50/60Hz
●大きさ:約270×210×620mm(集電球)、約150×130×490mm(放電球)
●重さ:約5.6kg

とこのように書かれていました。ゴムベルトとローラーがポイントのようです。バンデグラフを動かすとゴムベルトが回転をはじめます。そのときにゴムと上と下の2つのローラーを使って、ゴムにマイナスの電気を摩擦により帯電させてから、上の球の部分でにマイナス電気(電子)を移動させて、ゴムベルトを正に帯電させてから、また下のローラーに戻すという作業を繰り返しているそうです。簡単にいうと、下敷きで髪の毛をこすっているのとやっていることは同じですよね。なので、仕組みは簡単です。

より詳しいしくみについては、こちらにも書かれているので御覧ください

なお、やはりやってみなければわからない!ということで、静電気発生装置は、上の球は+とーのどちらに帯電しているのかも調べてみました。

ぼくが使っているのは、ナリカ製のバンデグラフです。マイナスに帯電させた風船で確かめてみましょう。バンデグラフのスイッチをいれて、風船をそばにおくと、風船が反発しました。つまりバンデグラフにはマイナスの電気がたまっていることがわかります。

風船をこすると、風船はマイナスに帯電します

手を離すと反発しました。

ここで面白いのが、バンデグラフのスイッチをOFFにしてから、球の電気をさわって取り除くと、今度は風船が吸い付いてくる現象です。球が金属でできているので、静電誘導という現象によって、球の風船に近い側に「+」の電荷が現れたためと考えられます。

球の反対側にマイナスの電荷が移動(私の体をつたって電子が逃げているかもしれません)

 ちょっとしたことですが、いろいろな現象が起こり、それについてなぜそうなったのか?を考えていくことが静電気のおもしろさですね。

 参考 バンデグラフをあけたときの、「バンデグラフの視点」の360°写真もとってみました。なかなか見られない面白いアングルです。

「わあ!開けられた!」という声が聞こえてきそうです。

バンデグラフを開ける瞬間 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

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