ドクダミの葉で気孔が観察できちゃう!?ムラサキツユクサの代わりになるドクダミの葉
【授業準備ガイド】ドクダミの葉で気孔観察に挑戦!
春から初夏にかけて、学校の庭を眺めていると、ふと目につくのがドクダミです。あの独特な香りと、しぶとい生命力でおなじみの植物ですね。最初はポツポツと控えめに生えていたはずなのに、気がつくと他の植物を駆逐する勢いで勢力を拡大していきます。理科教師としては、この「強さ」にも興味をひかれるところですが、今回はドクダミのもう一つの魅力をお伝えしたいと思います。
実はこのドクダミ、葉をよく観察すると、肉眼でも「気孔」がはっきりと見えるのです!しかも特別な準備や染色をしなくても、ただ葉を裏からじっと見るだけでOK。ムラサキツユクサの気孔観察が有名ですが、「ドクダミで代用できる!」というのは目からウロコの発見でした。
ドクダミはどこにでも生えていて、調達も簡単。授業準備の手間が大幅に減らせるうえ、身近な自然に目を向けさせる良い教材になります。ここから、授業での活用法や準備手順をご紹介していきます!
【授業準備】必要なもの
• ドクダミの葉(裏面がよく見えるもの)
• 顕微鏡
• ティッシュペーパー(葉の汚れをふき取る用)
• 必要に応じて、植物観察用のワークシート
※ムラサキツユクサを準備できない場合や、手軽に気孔観察をしたいときに特におすすめです。
【手順】
1.学校の庭や周辺でドクダミを採取します。なるべく葉の大きい、裏面がきれいなものを選びましょう。
2.ティッシュで軽くふいて汚れを取ると、観察しやすくなります。
3.顕微鏡で葉の表と裏側をじっくり観察しましょう。どちらの面にも気孔があることがわかりますが、裏面の方が多いのもよくわかります。
4.観察後は、ワークシートに気づいたことや気孔の配置について記録させると理解が深まります。
【理科の知識ポイント】
• 気孔とは、植物が呼吸や蒸散を行うための小さな穴。通常、葉の裏面に多く分布しています。
• ドクダミの特徴として、葉の表面が比較的薄く、細胞が透けやすいため、気孔が肉眼でも認識しやすいのです
• 葉の分布や環境による気孔の数の違いをテーマに、さらに探究活動へ発展させることもできます!
【おまけ:授業で盛り上げる小ネタ】
「ドクダミのにおいがなぜ強いのか?」
「ドクダミは薬草にもなるって知ってた?」
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