【科学監修】髪が逆立ち、飲み物がピリッとする摩訶不思議な静電気実験「超無敵クラス」
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「静電気」と聞くと、冬のドアノブで「バチッ!」とくる、あの痛くてイヤ~なヤツを思い浮かべませんか?でも、もしその静電気に「味」があって、飲み物として体験できるとしたら…?
にわかには信じがたい、そんな摩訶不思議な科学実験を、先日あるテレビ番組でお手伝いしてきました。今回は、いつもの理科室がテレビスタジオになった、刺激的で楽しい一日の様子をお届けします!
テレビの理科室からお届け!「味わえる」静電気!?
2024年7月21日(日)に放送された「超無敵クラス」(日本テレビ)という番組で、科学実験の監修と出演をさせていただきました。なんと収録場所は、私が普段勤務している千葉大学教育学部附属中学校の理科室!いつもの教え子たちと同じ場所で撮影しました。
番組では、静電気のパワーを体験する二つの実験に挑戦してもらいました。
髪が逆立つ!静電気パワーを全身で体感
一つ目は、おなじみの「バンデグラフ」を使った実験です。銀色のボールに手で触れると、髪の毛がフワ~っと逆立ちます。
これは、バンデグラフが発生させた静電気(マイナスの電気)が、体にどんどん溜まっていくために起こる現象です。髪の毛一本一本が同じマイナスの電気を帯びると、お互いに反発し合います。まるで磁石の同じ極同士が反発するように、髪の毛同士が「ケンカ」を始めて、結果として逆立ってしまうのですね。これは、中学2年生の電気の授業でも行う、静電気の性質が目で見てわかる楽しい実験です。
ピリッと美味しい?摩訶不思議な静電気ドリンクの正体
そして二つ目が、今回のメインイベント「静電気ドリンク」です!
これは、静電気を溜めた特殊な装置(ライデン瓶)に飲み物を注ぎ、それを飲んでもらうという、ちょっと変わった実験。今回は、土方エミリ さん、藤咲碧羽 さん、宮迫翠月 さん、横田真子 さんに、「飲んだ瞬間に顔に出さないようにする」という難しいチャレンジをしてもらいました。
静電気を帯びた飲み物をストローで飲むと、唇や舌に電気が流れる瞬間に「放電」が起こります。この小さなカミナリのような放電の刺激を、私たちは「ピリッとする味」として感じるのです。もちろん、レモン味やソーダ味になるわけではなく、電気そのものの刺激。皆さん、見事なリアクションを見せてくれました(笑)。
※ この実験は、帯電量を調整するなど専門的な知識と技術が必要です。大変危険ですので、ご家庭や学校で安易に真似をしないでください。必ず専門家の指導のもとで行ってください。
テレビ撮影の裏側と、ちょっぴりの後悔…
実は放送されたのは実験の一部で、撮影では手をつないだ全員が一斉にビクッとなる古典的な実験「百人脅し」なども行いました。色々準備をしたものがカットされてしまうのは少し残念ですが、面白い部分を凝縮して届けるテレビ番組ならではですね。
そして、個人的な大失敗が一つ…。撮影後に映像をチェックして気づいたのですが、なんと私の頭に見事な寝癖がついていたのです!誰も指摘してくれず、放送でもバッチリ映っていました(笑)。これも良い思い出です。
画像は「超無敵クラス」(日本テレビ)の公式HPより引用
今回の実験は夏場だったので大きな装置が必要でしたが、空気が乾燥する冬は、もっと手軽に静電気実験が楽しめます。こちらの記事で、お家でできる実験を20種類まとめているので、冬になったらぜひ挑戦してみてください!
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