電気の天秤?ホイートストンブリッジで未知の抵抗を解き明かせ!

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

みなさんは、目に見えない電気の「流れにくさ」を、どうやって正確に測るか考えたことはありますか?ただ測定器を当てるだけではなく、まるで精密な天秤のように左右のバランスをとることで、正体不明の値を導き出す……。今回はホイートストンブリッジ回路の世界を覗いてみましょう。

目に見えない電気を測る「知恵の結晶」

高校物理の授業で登場するホイートストンブリッジは、抵抗値がわかっている3本の抵抗を組み合わせて、未知の抵抗の抵抗値を正確に測るための回路です。

よく「キルヒホッフの法則」を使って複雑な計算をする問題として試験に出てくるので、苦手意識を持っている方もいるかもしれません。しかし、この回路の本来の姿は、非常に実用的な「測定器」なのです。

実は、かつてこの回路は単なる図面上の存在ではなく、重厚な機械としても活躍していました。驚くことに、その実物が国立科学博物館に展示されています。それがこちらです。

現代の電子機器とは違う、歴史の重みを感じるデザインですよね。回路図で示すと、みなさんも見覚えのあるこのような形になります。

現代のテクノロジーを支える「ブリッジ」の精神

このホイートストンブリッジ、名前の由来はイギリスの物理学者チャールズ・ホイートストンですが、実は彼が発明したのではなく、改良して世に広めた功績からその名がついたと言われています。当時の科学者たちが、いかにして正確な測定を行うかに情熱を注いでいたかが伝わってくるエピソードです。

現代では、写真のような大きな測定器としての姿を見ることは少なくなりました。しかし、ブリッジ回路そのものの仕組みは、形を変えて今も私たちの身近なところで使われています。

例えば、橋やビルのわずかな「ひずみ」を検知するセンサーや、精密な重さを量る電子天秤の中など、「ごくわずかな変化を正確に捉える」必要がある場所で、この知恵が生き続けているのです。

動画でマスター!ホイートストンブリッジの仕組み

「理論はわかったけれど、具体的な計算や仕組みを復習したい!」という方のために、解説動画を用意しました。高校物理向けの内容ですが、回路のバランスが取れる瞬間の鮮やかさを、ぜひ体感してみてください。

ホイートストンブリッジ回路

 抵抗の中身の式やホイートストンブリッジ回路について学びましょう。

プリント(ブリッジ)

Jam(ブリッジ)

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