これが本物の心臓だ!豚の心臓解剖の観察記
この記事では、豚の心臓の様子が写真としてでてきます。その映像などが苦手な人は読まないようにしてください。以下記事が続きます。
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こんにちは!今回はちょっとインパクトのある実験を紹介します。なんと「豚の心臓の解剖」についてです!聞いただけで「おおっ」と思う方もいるかもしれませんが、心臓は生物の仕組みを知る上でとても興味深い器官です。
今回は「総武教育」さんから豚の心臓を10個購入しました。楽天やamazonでも売っているようですが、
10個も買うことはできませんよね。また解剖がしやすいように調整されています!普段なかなか見ることのできないものを、これだけたくさん手に入れたので、生徒たちにも観察させてもらいました。解剖の日の前日に届いたので、クールな箱の中にずらっと並んだ心臓が…かなり壮観です。放課後、さっそく自分もじっくり観察しました。
心臓の内部の構造や血管のつながりなど、教科書だけでは分からないリアルな発見がたくさんあって、やっぱり「本物」を見るのってすごい!実験当日も生徒たちが驚きながらも一生懸命に観察していて、とても盛り上がりました。
それぞれをバットの上に出しました。
実際の心臓を見るので、苦手な生徒もいるだろうとおもい、事前に予告や復習をしておくことの指示を出しておきました。こちらは1週間前に出しておいたものです。
【心臓の解剖の際のポイントについて】
来週の○月○日に豚の心臓の解剖を予定しています。持ち物は、
白衣、保護メガネ、タブレット(写真を撮るよう)、筆記用具
です。必ず持ってくるようにしてください。
また解剖をした後にレポートにまとめて、提出をしてもらう予定です。
どのような観点で解剖をすると良いのかについて、事前に先輩が書いてくれたレポートを見てみておいてください。各クラスの掲示板に紙媒体にしたものを閲覧できるようにしておきますのでご覧いただければと思います。
以下のビデオについても確認をしておきましょう。
【バイエル サイエンスビデオ】知っておきたい、心臓のはたらき
3Dで体内の臓器の様子が観察できる → Zygote Body
【授業の様子】
教員が用意したものは、ゴム手袋400個(生徒は両手あるので、学年生徒人数✖️2という感じ)、ハイター、バケツです。ハイターは消毒用に使用しました。
この授業の課題としては、本物の心臓を観察して、実感を伴った理解をすることです。
観察の視点として、心臓のつくりとはたらきを理解すること、筋肉の感覚を触って感じることです。つくりとしては、どこが右心室や左心房なのかなどの、右と左の違いなどです。事前に生徒には次のような話をしました。
・他の生物を意味もなく殺めることはしてはいけないことである。
・今回の心臓は、実際に昨日まで生きていた心臓である。実際は食用のものを、特別に学習用として使わせてもらっている。
・お医者さんになる人は、人体について実際に観察をする機会があるが、その場合にも必ずお礼を言って行われているということ。
豚も人間も同じ生き物であるという意識で取り組んでほしい、匂いや怖さなどがあり、騒がしくなることがあるかもしれないけれども、観察が始まった際には、感謝の気持ちを持って、落ち着いて観察をしてほしい。
というようなことを伝えました。実際に始まるとどのクラスも静かに落ち着いて観察をしていました。
観察時には、開いたり、閉じたりして、立体的に心臓を見るように伝えながら回っていきました。
真ん中に太い筋肉がありますが、これは右と左を分ける筋肉の壁です。
バイエルサイエンスビデオでいえば、真ん中の筋肉です。
閉じていくと、くっつきます。
Zygote Bodyの心臓と比べると後ろの部分に当たります。
ひっくり返すと、こんな感じです。
Zygote Bodyの心臓と比べるとわかりやすいのですが、後ろが切り開かれていることがわかります。
豚の心臓を上から見ると、ベンのようなものが見えます(写真だとちょっとくらいです)
もう一度開いてみましょう。
ここを親指と人差し指で挟んでみると、肉の厚さが違うことがわかります。横から見てみると、
となります。生徒は弁がどれなのかわからなくなるようですが、バイエルサイエンスビデオのように弁の形を比べてみるとわかりやす。
これですね。
もう一度閉じて上から見るとよくわかります。
また穴にガラス棒を刺すことで、どことどこがつながっているのかがよくわかります。ちなみに上にある長い血管は大動脈でした。弁もありません。
肉の間食や、実際のつくりと教科書のモデルの様子の違いなど、触ってみて、目で見てみて感じることが多くあったようで、生徒は真剣に取り組んでいたことが見受けられました。
ガラス棒はバケツにハイターを入れたものの中に入れてもらい、教員で洗いました。また机はハイター付きの雑巾で拭き取りました。この辺りは教員がやることが必要ですね。
なお豚の目は45個(1クラス10個×4クラス+予備)で、280円×45個=12600円でした。また豚の心臓は10個を全クラスで共有したのですが、1個1100円だったので1100円×10個=11000円でした。
次回は豚の目の解剖について行います。
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