リアルな“眼”で学ぶ!豚の目の徹底解剖ガイド(準備から片付けまで)
目で見る!「見る」しくみ──豚の目の解剖に挑戦
こんにちは!今回はちょっと不思議で面白い実験、「豚の目の解剖」についてご紹介します。目の構造は教科書でも扱われる大切な内容ですが、実際に“本物”を解剖して観察することで、教科書では伝わらない驚きや感動を味わうことができます。
「えっ、目を解剖!?」と戸惑う生徒もいるかもしれませんが、実物を前にした瞬間、その不安は興味に変わっていくはず。レンズの働きや網膜の位置、ガラス体の質感など、目のしくみをリアルに感じることができる貴重な体験になります。
なお、この記事には豚の目の解剖中の写真が含まれます。映像などが苦手な方はご注意ください。
材料の調達
今回使った豚の目は、「総武教育」さんから購入しました。ほかにも「東京芝浦臓器株式会社」などでも取り扱いがあるようです。豚の心臓であればネット購入も可能な場合がありますが、豚の目はネットでは扱いが少ないので、教材業者や学校の出入り業者に相談するのがよいでしょう。
豚の心臓の解剖の時はネットでも買えそうなことがわかりましたが、流石に目は売っていないようです。
解剖の準備
解剖に向けての準備は、授業の成功を左右する大切なプロセス。以下のように進めました。
● 事前準備の流れ:
• 豚の目を1クラス分として40個+予備5個、合計45個を準備
• 5人で分担して前日に作業(所要時間:約1時間)
• キッチンバサミで目の周囲の筋肉をカット
• 筋肉は意外としっかりしており、繊細な作業が必要です
筋肉が眼球にしっかりとついていて、なかなか大変な作業!でも、5人で協力して進めたおかげで、1時間ほどで終えることができました。この準備段階だけでも、生物の神秘を感じる瞬間がたくさんありましたよ。
このように綺麗に取り除きます。
授業当日の準備物
• 新聞紙(机1台につき2枚)
• キッチンバサミ(生徒用)
• 薄手のゴム手袋
• ゴミ袋
• バット(解剖台)
• スケッチ用紙・筆記具
授業の進行
1. 目のスケッチからスタート
観察と記録を重視し、スケッチ→書き込みの順で進めました。
2. 解剖の実施(縦割り)
キッチンバサミを使って、眼球の横から穴を開けて切り始め、一周して2つに割ります。かなり力が要ります。
3. 観察ポイント
– 白く見える「網膜」
– ゼリー状の「ガラス体」
– 中心の「水晶体」
水晶体を取り出して新聞紙にのせると、文字が拡大される様子も観察できます。
当日は、実験の机の上には新聞紙を2枚引きました。また薄手のゴム手袋、ゴミ袋を用意しました。
まずは目の全体像をスケッチをして、そこにその後の情報を書き足してくように指示をしました。
次に、眼を縦に2つにきるのですが、キッチンバサミのみを用いて行いました。キッチンバサミの刃を当てて切っていきます。眼球の横にまずは穴を開けます。結構力が入ります。キッチンバサミの刃先を当てて力を入れて穴を開けます。
穴が空いたらそこにハサミの刃を入れて、一周していき、切り分けます。
半分に切れました。
後半球の白いものが網膜です。
どろっとしたのがガラス体です。
中心に水晶体が入っています。指やピンセットで取り出します。
新聞紙の上に載せると、文字が拡大されます。
解剖をしている様子を動画にしました。
片付けのポイント
• 使用器具はハイター入りバケツへ → 教員が後洗い
• 解剖した目・手袋・新聞紙はゴミ袋へ
• バットは新聞紙で拭き、湿らせた新聞紙で仕上げ拭き → 時間があれば水洗い
授業の合間も効率よく準備・片付けができるよう、全体の流れを確認しておくと安心です。
豚の心臓の解剖もあわせて体験すると、循環器と感覚器のつながりも意識できておすすめです!解剖という活動を通して、生徒たちが「生き物のしくみ」への興味を深め、科学への好奇心を育てるきっかけになればと思います。
また解剖したもの、手袋、新聞紙は、前のゴミ袋に入れさせて、バットは新聞紙でよくふかせます。その後教員がちょっと濡らした新聞紙でバットを拭くと、続きのクラスもそのまま使えます。時間が空いている場合は洗いましょう。
豚の心臓の解剖の様子も合わせてご覧ください。
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