ペットボトルがロケットに!?「みえ環境フェア」で学ぶリサイクルと物理学【科学監修】

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

飲み終わったペットボトル、ただのリサイクルゴミだと思っていませんか? もしそれが、水と空気の力だけで大空高く飛び立つ「ロケット」に変身するとしたら…。科学の力は、身近な「ゴミ」を、わくわくする「驚き」に変えてくれるんです。今日は、そんな「リサイクルと科学の融合」を体感できる、素敵なイベントのお知らせです。

ペットボトルが空を飛ぶ!「みえ環境フェア2019」

このたび、三重県環境保全事業団が主宰する「みえ環境フェア2019」にて、ペットボトルロケットが展示されることになりました。そしてなんと、そのマニュアルとして、この「科学のネタ帳」で開発した、安全に飛ばせる小型ペットボトルロケットのマニュアルが配布されるそうです!

絶対喜ぶ!お手軽小型ペットボトルロケットの作り方と飛ばし方

みえ環境フェア2019

日 時:2019年12月15日(日曜日) 10:00~15:00

場 所:メッセウイング・みえ

ペットボトルロケットは、なぜ「環境」イベントにぴったりなのでしょうか? それは、リサイクル品を使いながら、理科の重要な法則を体感できるからです。ロケットが水と空気を勢いよく噴射するとき、ロケットは水や空気を「後ろに押します」(これが作用です)。すると同時に、水や空気もロケットを「前に押し返す」(これが反作用です)。この「作用・反作用の法則(ニュートンの第三法則)」こそが、ロケットが飛ぶ原理なのです。使い終わったペットボトルが、物理学のダイナミックな世界への入り口になるなんて、面白いですよね!

CDが「虹」を作る? 科学の目で見る環境問題

以前「SAPIXエコ祭り」という企画に参加したことがありますが、こうしたイベントは現代の大きな問題を考える大切なきっかけになります。

「電気を作ってマト当てゲーム」を行いました【サピックスエコまつり2018】

今、マイクロプラスチックによる海洋汚染や、地球温暖化など、さまざまな環境問題が提起されています。私も学生時代、地球温暖化が海洋や大気の循環にどう影響するか(応答するか)を調べていましたが、これらはすべて科学的な視点で解き明かしていくべき問題です。

今回の「みえ環境フェア」では、ペットボトルの再利用のほか、なんと「CDを使った分光器」なども展示される予定だそうです。

「分光器」とは、光をその成分(いわば「光の色の素」)に分ける装置のこと。太陽の光がプリズムで虹色に分かれる、あれです。 実は、もう聴かなくなったCDの表面にある、目に見えないほど細い溝が、光を虹色に分ける「回折格子(かいせつごうし)」という部品の役割を果たしてくれるのです!

蛍光灯の光と太陽の光では、見える虹の模様が違います。この「光の分析」は、遠い星の大気成分を調べたり、地球の環境変化を宇宙から監視したりする最先端の科学技術にもつながっています。

「環境」と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、ペットボトルロケットやCD分光器のように、身近なものから科学の面白さや、私たちの地球とのつながりを発見できるはずです。お近くの方は、ぜひ訪れてみてくださいね。

お問い合わせ・ご依頼について

科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・科学のネタ帳の内容が本になりました。詳しくはこちら
・運営者の桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中

科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!