数式ニガテでも大丈夫!イラストで旅する高校物理「力学」の世界へようこそ『これだけ!高校物理力学編』
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
なぜ、投げたボールは地面に落ちるのに、夜空に浮かぶ月は落ちてこないのでしょうか?そんな素朴な疑問から、科学の扉は開かれます。実は、ボールの運動も月の運動も、同じ一つの法則で説明できるのです。
この世界の「なぜ?」を解き明かす鍵、それが物理学の「力学」です。「でも、物理って数式ばかりで難しそう…」そう感じている方にこそ手に取っていただきたい一冊、『これだけ!高校物理 力学編』(秀和システム)を、このたび執筆いたしました!
この本は、昨年7月頃から生徒向けではなく、物理に苦手意識を持つ一般の方や、学び直しをしたい大人の方に向けて書き始めたものです。世界の仕組みを知る面白さを、一人でも多くの方に届けたいという想いを込めています。
物理アレルギーを克服する「魔法の杖」
本書が目指したのは、「数式が苦手でも、物理の世界を冒険できる本」です。執筆を始めた当初、私は悩んでいました。ブランコの揺れを説明する「単振動」や、星の運行を司る「惑星の運動」は、どうしても話が細かくなり、ページ数もかさんでしまう。気楽に学ぶのは難しいのではないか…と。
しかし、編集者の方との打ち合わせの中で、光が見えました。「微積分は使わずに、イラストをふんだんに使って、読者が直感的に理解できることを最優先にしましょう!」
この方針のもと、ページ数を気にせず、一つひとつの概念を丁寧に解説することに全力を注ぎました。力学は、すべての物理現象の土台となる学問です。この土台をしっかり理解すれば、世界の見え方がガラリと変わる。そんな体験を、この本を通してしていただけると信じています。
どんな本なの?動画でご紹介!
百聞は一見にしかず!本書の雰囲気を短い動画にまとめましたので、ぜひご覧ください。
力学の世界を旅する「こだわり」の地図
本書には、読者の方が道に迷わないための、たくさんの工夫を詰め込みました。
冒険の舞台は、高校で学ぶ力学全体。物体の基本的な動きである「等速度運動」から始まり、力の正体に迫る「運動方程式」、シーソーの原理である「力のモーメント」、そして目には見えないけれど物理の世界を支配する「エネルギー」と「運動量」。さらには、ジェットコースターのスリルを解き明かす「円運動」、振り子の規則的な動き「単振動」、そして壮大な宇宙の法則「惑星の運動」までを収録しています。
各章は4つの節で構成され、節のはじめには必ず「これだけ」というポイント解説があります。ここを押さえれば、その単元の核心が掴めるようになっています。
そして、節の最後には「まとめ」のページを設け、学んだ知識をしっかり定着させることができます。
特にこだわったのが、つまずきやすい「単振動」の説明です。難しい数式を使わず、観覧車のような「等速円運動」の影として捉えることで、イメージで理解できるようにしました。
相変わらず(?)、夢中になってイラストをたくさん描きすぎてしまい、編集者の方を少し困らせてしまったかもしれませんが(笑)、その分、ページをめくるのが楽しくなるような、視覚的にわかりやすい本に仕上がっています。
物理がわかると、世界はもっと面白くなる
この本は、長い間あたためてきた構想がやっと形になった、思い入れの深い一冊です。たまたま他の本の出版と時期が重なりましたが、それぞれ別の時期に情熱を注いで作ってきたものです。
力学がわかると、日常の風景がまるで違って見えてきます。キャッチボールのボールの軌道、コーヒーカップを滑らせる力、自転車がカーブを曲がる仕組み。すべてが物理法則という壮大な物語の一部なのだと気づくはずです。
多くの方からご期待のメールをいただいている「電磁気学」や「熱力学」についても、いつか形にしたいと思っています。まずはその第一歩として、この力学の世界を一緒に冒険してみませんか?
気長にお付き合いいただければ幸いです。
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