ペットボトルはどうやって作られるのか?(プラスチックの性質)サントリー白州の工場見学

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

「皆さんが今手にしているそのペットボトル、実は最初は試験管のような姿をしていたって知っていましたか?」

今回は、山梨県北杜市にある「サントリー白州」の工場見学で見つけた、驚きの科学の世界をご紹介します。ここでは美味しい天然水が作られていますが、実はその水を守る「容器」の作り方が、大人も子供も夢中になるほど面白いんです!

ペットボトルの赤ちゃん!?謎の物体「プリフォーム」

天然水が詰められるペットボトルですが、工場ではボトルそのものも製造されています。その原型となるプラスチックを見せてもらいました。それがこちら。なんと、これが2Lのペットボトルになる前の姿です!

まるで分厚い試験管のようですよね。この物体の名前はプリフォームといいます。 「Pre(前もって)+ Form(形作る)」という名の通り、ペットボトルの「赤ちゃん」のような存在です。

膨らむ魔法!「延伸ブロー成形」の科学

この小さなプリフォームが、どうやってあの大きな2Lサイズになるのでしょうか? その秘密は、熱と空気にあります。

まず、このプリフォームを専用の型に入れ、熱を加えて柔らかくします。そこに高圧の空気を一気に吹き込むのです。

すると、風船が膨らむようにプラスチックが広がり、型の形にピタッと張り付きます。これを延伸ブロー成形と呼びます。たった数秒で、皆さんが見慣れたあの形に変身してしまうのです。

完成した姿がこちら!あの小さなプリフォームの中に、2Lもの水を支える材料がすべて凝縮されていたなんて、驚きですよね。ちなみに、こちらは500mLサイズのボトルのプリフォームです。さらに小さくてかわいらしいですね。

理科教師の視点:もう一度温めたら元に戻るの?

ここで一つ、理科の好奇心が湧いてきます。 「プラスチックは熱で柔らかくなるのだから、もう一度温めれば元のプリフォームの形に戻るのでは?」答えは、「縮みはするけれど、元のきれいな形には戻らない」です。

ペットボトルに使われているPET(ポリエチレンテレフタレート)は、熱を加えると柔らかくなる熱可塑性樹脂という性質を持っています。成形されるときに分子が引き伸ばされて整列しているため、熱を加えると「元のリラックスした状態に戻ろう」としてギュギュッと縮みます。これを「熱収縮」と言いますが、一度膨らませた風船の空気を抜いても新品のようには戻らないのと同じで、プリフォームの形を完璧に再現することはないのです。

身近なペットボトル一つにも、熱力学や材料工学といった素晴らしい科学が詰まっています。皆さんも次にペットボトルを手に取ったときは、ぜひその「赤ちゃんの頃」を想像してみてくださいね!

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