こんなに面白い!色と結晶が語る中和滴定の魅力(塩酸と水酸化ナトリウムを使った中和実験)
中和の実験をやってみよう!―美しい結晶ができるまでのワクワク体験
今回は、中和反応を利用して結晶を作る実験をご紹介します。シンプルな材料とちょっとした準備で、色の変化を楽しみながら科学の奥深さを体験できます。結晶の観察も盛り上がるので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
まずは準備から!
材料として使うのは、塩酸と水酸化ナトリウムの0.1mol/L溶液です。ここでちょっとだけ化学の計算のお話:
•塩酸1mLに水120gを加えると、およそ1mol/Lの溶液が完成します。
•水酸化ナトリウムは0.4g(粒で言うと3~4粒)を水100mLに溶かして、0.1mol/Lにします。
4クラス分の準備量は、塩酸も水酸化ナトリウムもそれぞれ約400mL必要です。
4クラス分用意するとしたら、10mL×10班×4クラスということで、どちらも400mLあれば足ります。少し多め480mLの水に、塩酸を4mL加えました。また水酸化ナトリウムは、水500mLに水酸化ナトリウム2gを入れて、500mLの水酸化ナトリウム水溶液を用意しました。
実験スタート!色が変わる魔法の瞬間
① 塩酸に色をつける
まず、100mLのビーカーにピペットで塩酸10mLを入れます。白い紙を下に敷くと観察しやすいですよ。そこにBTB溶液を5滴たらすと、鮮やかな黄色に!
👉 ピペットの使い方は意外と忘れがちなので、事前に少し復習するとスムーズです。
② 中和反応を観察しよう
試験管に塩酸4mL、水酸化ナトリウム14mLをそれぞれ準備し、班ごとに配布。あらかじめ試験管に色分けテープを貼っておくと便利です!
水酸化ナトリウムが入った試験管10本、塩酸が入った試験管10本をあらかじめ用意しておきました。テープの色などで分けておくと良いですね。写真は白が水酸化ナトリウム、赤が塩酸です。
ビーカーの中に、水酸化ナトリウム水溶液を2mLずつ加えて、混ぜていくと…色がだんだん変化していきます。10mLほど入れたあたりで溶液が青色になり、中和点が近づいていることがわかります。
(この時点で上手く行えば、ここで終わり。水酸化ナトリウムを10mL加えれば中和点になるので、塩酸も水酸化ナトリウムも余ります。余ったものは次に回します)
③ 微調整が楽しい!緑色を目指して
黄色から青になってしまったので、ここからは塩酸を1滴ずつ加え、中性(緑色)になるよう調整します。少し行き過ぎたら水酸化ナトリウムを足して戻したり、慎重に行き来するプロセスがポイントです。この「行き来」が意外と楽しく、班ごとに盛り上がります!早い班は約10分で終了するスピーディーさでした。
最後のお楽しみ―結晶観察
中和が終わったら、班番号を書いたスライドガラスに溶液を垂らします。このまま水を蒸発させると、次回の授業で美しい結晶が現れるんです!パットに班の番号を書いておくと良いですね。
予備実験ではとてもきれいな結晶ができました。次の時間に観察すると、結晶の様子に感動しますよ。
おわりに
色の変化を楽しみながら、化学の基本「中和反応」を学び、さらに結晶観察までできるこの実験。準備は少し手間ですが、その分生徒たちの驚きと興奮はひとしおです!みなさんもぜひこの実験を試して、理科の楽しさを体験してくださいね!