子どもの「なぜ?」にワクワクで応えよう! お母さんの科学実験教室レポート(花まるカフェ 2016/3/8)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「なぜ空は青いの?」「どうして夕焼けは赤いの?」—— お子さんからこんな質問をされたとき、どう答えていますか? 実は、白衣を着た理科の先生が教えるよりも、もっと深く子どもの心に「科学の種」をまくことができる、最強の存在がいます。 それは、お母さん、お父さん、つまりご家庭の皆さん自身なのかもしれません。

先日、3月8日に花まるカフェにて、お母さんのための科学実験講座『教えてあげたい科学実験』を行いました。 「教えてあげたい」とは、もちろん、お子さんに教えてあげたいという意味です。お母さんがご自宅に帰ってから、お子さんと一緒に安全に楽しめるように工夫した実験をご紹介させていただきました。当日は、12名のお母様に参加していただき、3つの実験を体験していただきました。
理科教師の「ある思い」と、オレンジ色の電車
この実験講座には、私個人のある思いがありました。
ぼくは昔、生徒といっしょに、中央線を走っていたオレンジ色の電車「201系」の絵本を出版したことがあります。こちらの本です。(現在絶版状態になっています) これは、生徒がお母さんになったときに、201系に使われていた「回生ブレーキ」などの科学知識を、子供に語って欲しい、という願いからでした。
(ちなみに「回生ブレーキ」とは、電車がブレーキをかける時に発生する運動エネルギーを、モーターを使って電気エネルギーに変えて再利用する仕組みのこと。今ではハイブリッドカーなどにも使われている、とてもエコな技術です!)
教員仲間で相談しながら、201系に関わった方々へ取材をして、作り上げました。東京駅から子供が電車に乗り込み、高尾まで行く物語です。出てくる方々は実在の人で、取材で得た情報を文や絵に込めました。
理科離れを止める鍵は、お母さんの「調べてみようか!」
そんな絵本つくりでも思ったのは、理科離れは教師の努力だけではなく、お母さんの理解があってこそ、改善できるのだということです。
子供がお母さんに、「なぜ夕方になると空が赤くなるの?」と聞かれたときに、「そうね、わからないわね」ではなく、
「そうね。調べてみようか!」
と、こう変わるだけで、随分子供に与える影響は違うと思います。(ちなみに夕焼けが赤いのは、太陽の光が、夕方は大気の層を長く通るため、波長の短い青い光は途中で散らばってしまい、波長の長い赤い光だけが私たちの目に届くからなんですね!)
お母さんが理科が好きで、普段の料理(例えば、ホットケーキはなぜ膨らむのか?)や家事の中で、科学知識について子供に話していくことが大切だと思っています。
そう、お母さんがたが子供に直接教えるということは、白衣をきた、ちょっと変な教師が教えるよりも、きっと理科教師では届かなかった子供の心の奥深くに手が届き、理科好きになる、または理科が嫌いにはならない、と確信しています。
そんなこともあり、小学生向けや、大人向けの実験講座以外にも、前々から保護者向けに実験講座をやりたかったのです。
お母さんたちの「できた!」が響いた実験室
3つの実験は、幼児向け、小学生向け、中学生向けと3段階にわけて行いました。
幼児向け: 小森栄治先生から教えていただいた「紙コップロケット」(ゴムの弾む力=弾性エネルギーを、飛ぶ力=運動エネルギーに変える実験です)
小学生向け: 「手作りホバークラフト」(風船とCDを使い、空気の力で摩擦を劇的に減らしてスイスイ進む原理を学びます)
中学生向け: 「電気回路の工作」
特に驚いたのは、この「電気回路の工作」に、皆さんが予想以上に集中して取り組んでくれたことです。

紙コップロケットでは、カエルの顔を書いてくれたお母さんや、

なぜかタコを書く方も・・・。

クレヨンを渡すと楽しそうに書いていました。
回路を組んでLEDが光った時には、「やった〜〜〜!!」という歓声が聞こえました。その後に、少し難易度を上げて「並列回路」の回路図をかいて、「こうやって組んでみてください」と声をかけました。(家庭のコンセントのように、一つの電化製品のスイッチを切っても他が使える、あのつなぎ方です)


電気回路では書画カメラを使いながら、 作り方のレクチャーをしました。
お母様がたは「回路図なんて覚えてない!」と笑いながらも、無茶ぶりだったのですが、これが逆に火をつけたのか、試行錯誤をしながら、なんとか光をつけることができました。そのときの感激ようといったら、見ていてこちらもうれしくなるほどでした。
「ああ、科学というコンテンツは、性別や年齢に関係なく、誰でも楽しめるものなんだな!」ということを強く思いました。
抵抗やLEDなどの素子のおみやげもたくさんお渡ししたこともあり、お母様方はうれしそうに帰って行きました。(なんと「この後、秋葉原のパーツショップ『秋月電商』に買いに行きます!」というお母様まで・・・!)
「思わずガッツポーズ!」 参加者の声
アンケートでは次のような嬉しい声をいただきました。
・手軽にできる理科工作教えていただき嬉しかったです。 ・家でも子どもと一緒にできそうなので、親子で楽しみたいです。 ・こどもが小さい頃、こうしたことを遊びの中で取り入れられていれば、 自然なこととして感じられたなあと思いました。 ・受講する前はドキドキ不安でしたが、やり始めたらとても楽しかったです。 ・電球がついた時は思わずガッツポーズをしてしまいました! ・楽しかったです、時間があっという間でした。 ・こういった身近な実験をまたやって下さいお願いします。 ・今日の第2弾をお願いしたいです!
などなど。私が目指していた目的を達成できたことを、皆さんの声から再度確認しました。この講座に参加してくださったお母様方なら、きっとご自宅でお子さんに笑顔で見せてあげるのだろうと思います。ああ、その後のご報告も聞く機会が欲しかったです。
また、今回は「お母さん限定」で行いましたが、その意味はあったように思います。周りを気にせず、引っ込み思案にならず、皆さんご自身が夢中になって取り組んだり、積極的に相談をしてきてくれたからです!
これが男性がいっしょにやっていたらどうだったのか、、、。それはそれで、別にお父さん限定でやってみても面白いかもしれませんね。
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