アリエルの秘密!?マーメイドラグーンに隠された物理の法則【ディズニーシーで物理学】
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
遊園地で遊んでいるとき、目の前の景色に隠された科学の秘密に気づいたことはありますか?ジェットコースターの加速、噴水の水のアーチ、まるで魔法のような仕掛けの数々。これらはすべて、物理の法則が緻密に計算されて生み出されたものです。
私は以前、授業で生徒に身近な話題で科学を伝えようと、ガンダムの話をしました。しかし、結果は惨敗。生徒たちの目は「ぽかん」としていたのです。そこで、彼らが本当に興味を持っているのは何かを探し始めました。そしてたどり着いたのが、ディズニーランドや水族館でした。
私は、科学は日常のあちこちに隠れているということを伝えたくて、ディズニーランドに足繁く通うようになりました。
私はというと、すごい好きというわけではなかったのですが、ある事情により、ディズニーランドには機会をみつけてはいくようにしています。年に1回くらいでしょうか。ディズニーランドのアトラクションが好き!とか、キャラクターに会いたい!だとか、あの楽しそうな雰囲気が好き!というわけではありません。
ぼくがディズニーランドの必要性を感じたのは、物理と関係のある話題で、ガンダムの話を授業中に話した時のことです。たしかスペースコロニーの回転と遠心力についてでした。そのとき、教室がシーンとなったんですね。生徒の目が死んでいます。なぜだ!と思ったら、ガンダムはあまりすきじゃないようなのですね。
じゃあ、生徒は何が好きなんだろう?と思ったら、ディズニーランドや水族館だったのですね。
これには驚きました。授業を受ける生徒に寄り添った話題を探して、科学の世界に引き込まなければいけない!
そう思って、ディズニーランドにいってスプラッシュマウンテンと位置エネルギーのネタを見つけたり、また墨田水族館にいって、ペンギンの水槽と屈折率のネタなどを手に入れました。
またディズニーランドについて調べていく中で、ガイドブックやウォルト・ディズニーの伝記をよんで、建物を実際よりも大きく見せる錯覚を使った手法などの面白い話なども少しずつ手に入れたこともあり、定期的にディズニーランドにいっては、何か新しいネタは無いかと探してくるようになったのです。
先日は休みを利用してシーにいってきました。そこでマーメイドラグーン(アリエルのいる場所)にあった、魚が吐き出す水が異様にきになりました。それがこちらの映像です。
放物線とくらべてみました。
きれいに放物線が描かれています。水は初速度だけをもらって飛び出すので、風がないとこんなにきれいな線を描くのですね。動画はこちらをどうぞ。
これはホースをつかった投射距離の実験と通じるところがあります。 簡単にできる実験なので、ご家庭でも試してみてください。
科学のレシピ:身近なもので放物線を描こう!
マーメイドラグーンの噴水が描く美しいアーチは、物理学の世界では放物線と呼ばれます。重力の影響を受けながら物体が描くこの曲線は、キャッチボールでボールが描く軌道や、大砲から放たれた砲弾の軌道にも見られます。この原理は、身近なもので簡単に再現できます。
用意するもの:ホース、ノズル
手順:
1 校庭に出て、ノズル付きホースから水を出す。
2 ホースの角度を変えて、最大となる角度を探す(およそ45度になる)。
3 理論値の計算をする。
理論値の計算では2倍角の公式を使います。この実験をやったあと、または前に先ほどとってきた映像をみせれば、生徒は必ず食いつくのだと思いました。機会を見つけてやってみたいと思います。みなさんはどんなディズニーランド科学ネタをお持ちですか?
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