スマホが最強の科学ツールに!サウンドビームで音の世界を大冒険(アプリSoundBeam)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

同じ「ド」の音でも楽器によって違うのはなぜ?スマホで覗く「音の個性」の秘密

みなさんは、こんなことを不思議に思ったことはありませんか?

「どうして同じ『ド』の音なのに、ピアノとリコーダーでは全然ちがって聞こえるのだろう?」
「あの人の声って、なんだかすごく心地いいな…」

その感覚、実はとても鋭い科学の入り口に立っている証拠です。音の「大きさ」と「高さ」が同じでも、何かが違う。その「何か」こそが、音の3要素の一つ、「音色(ねいろ)」の正体なのです。今日は、そんな音の個性を決める「音色」の秘密を、皆さんがお持ちのスマートフォンで解き明かす、とっておきの方法をご紹介します!

音の「指紋」が個性を決める!

私たちの耳に届く「音」は、空気の振動、つまり「波」です。そして、私たちが聞いている楽器や人の声は、実はたった一つのきれいな波(基音 きおん)だけではありません。その音の2倍、3倍、4倍…といった高さの音(倍音 ばいおん)が、隠し味のように絶妙に混ざり合っています。この基音と倍音のブレンド比率こそが、その音だけが持つ「個性」であり、「音色」の正体なのです。これはまさに、一人ひとり違う「音の指紋」と言えるかもしれません。

この複雑でユニークな波の形を、私たちの耳は瞬時に感じ取り、「これはピアノの音だな」「これは〇〇さんの声だ」と判断しているのです。人間の耳は、とんでもなく高性能な分析装置だと思いませんか?

高価な実験装置が、あなたのポケットの中に!

「そんな『音の指聞』を、この目で見てみたい!」

そう思うのが、科学好きの心ですよね。昔は、理科室にある何十万円もする「オシロスコープ」という特別な機械がないと、音の波形を見ることはできませんでした。でも、すごい時代になったものですね!今の携帯電話には、必ず高性能なマイクがついています。ということは、そのマイクで拾った音を波の形に表示できれば、お持ちのスマホがオシロスコープに早変わりするということです!

そこで今回ご紹介するのが「サウンドビーム」というアプリケーションです。こちらの動画をご覧ください。

いかがでしたか?スマホのマイクがしっかりと音をひろって、空気の振動(縦波)を、目に見える波(横波)として表示してくれます。動画のように、音が重なり合って生まれる「うなり」の様子なども、ばっちり確認することができました。あの高価なオシロスコープで見ていた世界が、これならわずか100円程度で手に入るのです!これはもう、実験しない手はありませんね。

サウンドビームのダウンロードはこちらから。

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さあ、このアプリを片手に、身の回りの音の”探偵”になってみませんか?ご自身の声、家族の声、ペットの鳴き声、コップを叩く音…。いろんな音の「指紋」を集めて、あなただけの「音の図鑑」を作ってみるのも面白いかもしれません。ぜひ、ご自宅で試してみてください!

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