【科学監修】理科室のあの装置が全国放送へ! たった数秒の映像協力に込めた科学の面白さ「カネオくん」

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験!

皆さんが普段楽しんでいるテレビ番組。その「ほんの数秒」の映像に、実は科学のワクワクが隠されているとしたら…? テレビの見方が少し変わるかもしれない、そんな舞台裏のお話です。先日、2025年6月15日(日)に放送されたNHKの人気番組「有吉のお金発見突撃!カネオくん」で、科学実験の撮影に協力させていただきました。

テレビの裏側でキラリ! 理科室から全国へ届いた「電気の火花」

番組では、出演者の方が中学校の理科で習う「静電気発生装置」について触れる場面がありました。その時、「ああ、あれね!」と視聴者の皆さんにイメージしてもらうために、私たちの学校で撮影した映像がほんの数秒間、使われたのです。

登場したのは、理科の実験でおなじみの「バンデグラフ起電機」。丸いドームから激しい火花がバチバチッと飛ぶ、あの装置です。

たった数秒に込めた、科学への「なぜ?」

では、あの火花の正体はいったい何なのでしょうか?

すべての物質は、プラスとマイナスの「電気の粒」でできています。静電気は、摩擦などによってマイナスの電気の粒である「電子」が移動することで発生します。バンデグラフは、内部のゴムベルトを高速で回転させ、この電子を大量に集めてドームに溜め込む、いわば**「静電気工場」**のような装置なのです。

そして、溜まりに溜まった電気が、耐えきれなくなって空気中を突き破って飛び出す! この現象が「放電」であり、その光と音が、私たちが目にする「火花」の正体です。これは、空に輝く稲妻と全く同じ原理なんですよ。

番組では、この深い科学の原理にまでは踏み込みませんでしたが、あのインパクトのある映像が、「なぜだろう?」「どうして?」という視聴者の皆さんの知的好奇心を刺激する小さなきっかけになったとしたら、これほど嬉しいことはありません。

最後のクレジット(テロップ)で、撮影協力として学校名が紹介されました。

たった数秒の映像かもしれませんが、その向こう側には、果てしなく広がる科学の面白い世界が待っています。これからも、そんな科学の魅力を様々な形でお届けしていきたいと思います。

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