【科学監修】テレビ収録が一時中断!?さらば森田さんも苦戦した静電気実験「百人おどし」の知られざる科学

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

手と手をつないだ全員に、次の瞬間、一斉に「ビリリッ!」と電気が走る!まるで魔法か罰ゲームのようですが、これは江戸時代から人々を驚かせてきた「百人おどし」という、歴史ある科学実験なんです。

今回は、そんな少しスリリングな科学エンターテイメントをテレビ番組で成功させるという、科学監修のミッションの裏側をお届けします。

生放送で挑戦!江戸時代の科学実験「百人おどし」

2024年1月26日、深夜の生放送番組『オールナイトフジコ』(フジテレビ)の科学監修を担当しました。今回の企画は、お笑いコンビ「さらば青春の光」の森田さんに、電気をためる装置「ライデン瓶」の使い方をレクチャーし、出演者の皆さんと「百人おどし」に挑戦してもらうというもの。

百人おどし」とは、その名の通り、静電気でたくさんの人を同時に驚かせる実験です。手をつないで輪になった人々が一本の長い電線のようになり、ライデン瓶にためた静電気が一瞬で全員の体を駆け抜けるのです。電気が伝わる速さはほぼ光の速さなので、何十人が輪になっても、全員が「同時に」ビクッ!と感じるのが面白いところです。

もちろん、安全な範囲の電気量で行いますが、それでも初めての体験はドキドキのはず。
事前に森田さんにはしっかりレクチャーをさせていただいたものの、生放送本番ではなかなか電気が溜まらず、うまくいきません。静電気はとてもデリケートで、その日の湿度やちょっとした扱い方で結果が変わってしまうのです。

モニターの前でハラハラしていましたが、急遽、私もスタジオに呼ばれ、もう一度説明をすることになりました。

ハプニングを乗り越え、いざ実践!

緊張感が走る中、罰ゲームとしてアイドルグループ「僕がみたかった青空」のメンバーが体験することに。
私の再レクチャーの成果もあってか、今度は見事に成功!手をつないだ皆さんに見事に電気が流れました。

出演者の皆さんのリアルな驚きの表情を見て、心の底からホッとしました。やはり、練習と本番とではプレッシャーが全く違いますね。一発で成功させることの難しさを改めて痛感しました。

実験が成功すると、スタジオは一気に科学への興味に包まれました。収録後には「フジコーズ」の皆さんも集まってきてくれて、みんなで「百人おどし」を体験することに!科学がエンターテイメントになり、人と人をつなぐ瞬間は、私にとって何より嬉しい時間です。

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