身近なシダ植物で実験!胞子の世界を観察しよう(胞子と胞子嚢の観察)
シダ植物の胞子を観察しよう!
中学校の理科で「植物の分類」を扱う際、シダ植物の特徴を観察するのはとても良い実験教材になります。今回は、学校近くを散策してシダ植物を発見し、その胞子を顕微鏡で観察してみました。シダの胞子を実際に見ることで、生徒により深い理解と感動を与えることができます。
まずはシダ植物を探そう!
春から初夏にかけて、シダ植物は新芽を伸ばします。学校の周りや公園、ちょっとした林の中を歩いてみると、クルクルと丸まった芽(ゼンマイのような形)を見つけることができます。シダ植物は種子を作らず、胞子で増える特徴があります。この胞子がどのように観察できるのか、実際に試してみましょう。
胞子を観察する準備
準備するもの
- シダ植物(特に葉の裏に胞子のうがついているもの)
裏面には、
- ピンセット
- スライドガラス
- カバーガラス
- 顕微鏡(100倍程度でも十分観察可能)
手順
- シダの葉の裏を確認
- 胞子のうがついている葉を選びます。胞子のうは、小さなつぶつぶが並んでいる部分です。
- 胞子を取り出す
- ピンセットを使って、胞子のうを優しくはぎ取ります。
- スライドガラスに載せる
- 胞子のうをスライドガラスに置き、カバーガラスで軽く押さえます。
- 顕微鏡で観察
- 低倍率(100倍程度)で観察すると、胞子のうの中にたくさんの胞子が詰まっている様子が見えます。
-
- 時間が経つと、胞子のうがはじけて中の胞子が飛び出すこともあります。
観察してみると…
胞子のうがまだはじけておらず、中に胞子がぎっしり詰まっている状態を確認できました。実際に肉眼では見えない小さな胞子を顕微鏡で観察すると、その精巧なつくりに感動します。生徒にとっても、「植物は種子だけでなく、胞子でも増えるんだ!」という発見につながるでしょう。
授業で活かすポイント
- 比較させる:シダ植物とコケ植物の胞子の違いを比べると、さらに理解が深まります。
- 時間経過を観察する:数時間放置して、胞子のうが自然にはじける様子を観察するのも面白い実験です。
- 発芽実験:シダの胞子を湿らせた綿の上にまいて、発芽を観察するのもおすすめです。
まとめ
シダ植物の胞子を観察することで、植物の多様な繁殖方法を学ぶことができます。顕微鏡を使うことで生徒たちの好奇心を刺激し、理科の授業がより楽しく、深い学びにつながるでしょう。ぜひ、身近な自然を活用して、実践してみてください!
参考:
NHKforSchool
シダ植物の増え方 https://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005401572_00000
胞子を投げる https://www2.nhk.or.jp/school/movie/bangumi.cgi?das_id=D0005100107_00000
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