沈めてわかる、浮力のヒミツ!ばねばかりで探る水中の力(浮力を測定する実験)

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

浮力の正体に迫る!フィルムケースを使った簡単実験

「水に浮く」って、実はとっても奥が深いんです。今回は、フィルムケースとおもりを使って、水に沈めたときに浮力がどう変化するのかを調べる実験を行いました。「浮力は深さによって変わるの?」「重いものほど浮力も大きいの?」という、なかなか鋭い疑問を自分たちで確かめていくことができる実験です。手軽な道具でできるので、授業でも取り入れやすいと思います。

◆準備するもの

• フィルムケース(ふた付き)
• おもり(ナットなど)
• 水槽または透明なバケツ
• ばねばかり(2N程度まで測れるもの)
• 紐(フィルムケースを吊るす用)

◆実験の手順

1. 空気中での重さを測定する
ばねばかりにフィルムケース(中におもり入り)を吊るし、水に入れる前の重さを記録します。

2. 水中に沈めながら測定する
水面に半分つけたときと、完全に沈めたときで、それぞればねばかりの値を読み取ります。

3. さらに深く沈める
水の中に完全に沈んだ状態で、さらに深い位置まで下ろしてばねばかりの数値を測ります。

4. 別の重さでも繰り返す
おもりを変えて、1〜3を同じように行います。

◆参考公式

浮力の大きさ(N)= 空気中の重さ(N)- 水中の重さ(N)

◆結果と考察

今回は、おもさ185gと110gの2種類で実験を行いました。

結果を見て気づくのは次の2点です:

• 浮力の大きさは物体の重さによらない
同じ体積のフィルムケースであれば、重さが違っても浮力の大きさはほぼ同じでした。

• 浮力は水に入れた深さには関係しない(ただし、全体が水中に入るまでは変化する)
フィルムケースの一部しか水に入っていないときは浮力も小さく、沈めていくにつれて大きくなります。しかし、完全に水中に入ると、それ以上深く沈めても浮力は一定になりました。

この結果から、「浮力は水中にある体積に比例する」ことが実感として理解できます。重さではなく体積がポイントというのがミソですね。目に見えない力を「ばねばかり」という道具を通して可視化できるのも、この実験の魅力です。

身近な道具でできて、しかも浮力の本質に迫れるこの実験。授業の中で、「なぜ浮くの?」「沈むの?」という問いを一歩深く掘り下げたいときに、ぜひ活用してみてください!

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