絵本に出てくるホットケーキの秘密!家でできる「電気パン」実験(しろくまちゃんのほっとけーき)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

突然ですが、ホットケーキを焼いたことがありますか?ふっくら、おいしいホットケーキには、実はすごい科学の秘密が隠されているんです。

絵本「しろくまちゃんのホットケーキ」を読んだことがある子もいるかな?あの絵本の中で、ホットケーキの生地がフツフツと泡立っていく様子が描かれていますよね。実は、あの泡こそが、ふわふわのホットケーキを作るための「魔法の泡」なんです。

この泡の正体は、「炭酸ガス(二酸化炭素)」。ホットケーキの材料に入っている「ベーキングパウダー」という白い粉が、この炭酸ガスの泡をたくさん作ってくれます。ベーキングパウダーの主成分である「重曹(炭酸水素ナトリウム)」が、フライパンの熱で「熱分解」という化学反応を起こして、この泡をシュワシュワっと作り出すんです。

家にあった「しろくまちゃんのホットケーキ」のイラストにその様子が描かれていたので、写真でとってきました。

有名な絵本なのか、生徒の多くも知っているようで、写真を見せた瞬間に反応をしていました。この絵本のホットケーキを創っているページに、ホットケーキの生地の表面がブツブツとしてくる様子が描かれています。これが熱分解されて発生した二酸化炭素です。上の湯気が水かもしれません。

実際にホットケーキを焼いてみて、表面を観察してみました。

こんなにたくさんの穴が開きます。ひっくり返して少しすると完成。

このふしぎな泡を、フライパンを使わずに作ることができる実験が「電気パン」です。フライパンの代わりに「電気」を使ってホットケーキを焼いてみましょう!

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この電気パンは、ホットケーキのタネをフライパンでやかないで、

直接電気を流して

パンを作ってみると言う実験です。生徒がとっても喜ぶ実験です。

科学のレシピ

用意するもの:ステンレス板、牛乳パック、電流計(あれば)、ワニ口、100ワットの電源コード

家庭で手に入りにくいものもありますが、学校にいけばすべてそろっているはずです。それでは方法を見ていきましょう。

1 ステンレス板を切ります

ステンレス板はハンズなどで売っているものを買ってきて、カッターやハサミなどで切って使いましょう。または電気パンように販売されているものもあります。またこちらにはすべて手作りで行う方法がまとめられています。すばらしいですね。手作りをするときは、手を切らないように注意をしましょう。

2 牛乳パックを高さ12cmほどで切ります。

3 ホットケーキのタネを作ります

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4 2で作った容器にステンレスの板をたてて、タネを流し込みます

5 ステンレス板に100Vの交流電流を流します

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電流計をはさんで、電流の様子を見てみましょう。電流が流れなくなったら、完成です。

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このときタネの中に電流が流れて、ジュール熱が発生し、タネの中にある炭酸水素ナトリウムが分解して、二酸化炭素が発生していきます。あながぶつぶつタネにあいて、膨らんでいく様子がみれますね。

生徒は作って食べて楽しいのですが、このできるときの穴がなぜあくのかとか、どうやって熱が発生しているのか?などを考えさせるには、良い実験かもしれませんね。

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