軍事兵器について科学的に物理学者の多田将先生が語った本(ミリタリーテクノロジーの物理学)

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。 

みなさんは金髪の素粒子物理学者の #多田将 先生をご存知ですか?多田先生の講演会を何度かきいたことがあり、その面白さから講演後に声をかけたことがきっかけで、多田先生と知り合いになりました。その後勤め先の学校に何度もきていただき中高生向けに講演をしていただきました。

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こちらが講演の様子です。科学のことはもちろんのこと、ドラえもんの道具の実現可能性など、どんなことでも聞いてみると、たとえを交えてわかりやすく答えてくれる、知識豊かで、個性的な先生です。そんな先生なので、講演をしてもらった内容の他にも、なんで金髪なんですか?なんでブーツなんですか?など、いろいろなことを質問していました。そんな多田将先生が、「ミリタリーテクノロジーの物理学」という本を出されました。

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ミリタリーテクノロジーの物理学<核兵器>

な、なんとミリタリーと物理学!ミリタリー本というと、ほんとかよ〜という不正確な内容や、陰謀、政治、戦略系などに大きな紙面がさかれてしまっていて、科学的な内容になっていないものが多いです。でもこの本はまじめに?高校生にもその裏の科学がわかりやすいように、ミリタリーの科学について、冷静にときに熱く語られています。

ミリタリーというマニアが多い分野の中で、物理学者が解説した、ミリタリー本はあまりないのではないでしょうか。編集者さんのおすすめは、核分裂をストレスのたまる飲み会にたとえてしまうということだそうです。多田先生といえば、その多彩で独自の喩え話があげられますが、今回のほんでも炸裂しています!夢中で読んでいたので、電車の帰りの中が一瞬で終わってしまいました(^^;)。集中してよめば、1〜2時間で読める内容なのですが深くて面白いです。その理由としては、多田先生の講演をもとに、編集者の方がまとめているため、普段読み慣れていない中学生や高校生でも、気楽に読み進めることができます。

私が特に面白いなと思ったのは、核爆弾の種類とそのメカニズムについての説明の部分です。お恥ずかしながら、ガンバレル方式以外は詳しくしりませんでした。様々な物理学者や数学者、または一般の方の手計算があって、原子爆弾が進化していったことに驚きました。また数学者のフォンノイマンのくだりの部分など、興味深く読ませていただきました。ちょうど原子分野を教えていたところで、教師も十分役に立つ内容です。ぜひいろいろな方に手にとってほしい本です。

こんな時代だからこそ、読んでおきたいですね。さらに #弾道弾 にいてもおすすめします。こちらにまとめてあります。

郵便物をあけると「弾道弾!」多田将先生の最新刊でした!

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