10キロ続く絶壁のタイムトラベル!銚子「屏風ヶ浦」で地球の記憶をのぞいてみよう

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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皆さんは、日本に「東洋のドーバー」と呼ばれる場所があるのをご存知でしょうか。千葉県銚子市にある屏風ヶ浦(びょうぶがうら)は、まさに地球の記憶がむき出しになった巨大なタイムカプセルのような場所です。高さ約40〜50メートルの絶壁が約10キロメートルにもわたって続くその姿は、一度見ると忘れられないほどの迫力があります。

先日、ずっと行ってみたかったこの場所を訪ねてきました。今回は、理科教師の視点でこの壮大な景色の裏側に隠された地球の物語を解説しながら、屏風ヶ浦の魅力をご紹介します。

屏風ヶ浦:東洋のドーバーと呼ばれる絶壁へ

まず訪れたのは、屏風ヶ浦の西側の端に近いエリアです。飯岡刑部岬(いいおかぎょうぶみさき)展望館の近くにある海岸へ降りてみました。このあたりは遊歩道として整備されているわけではありませんが、波打ち際まで行くと、目の前にそびえ立つ巨大な壁に圧倒されます。

崖を近くで見ると、綺麗な縞模様が重なっているのがわかります。これが地層です。屏風ヶ浦の地層は、今から約300万年前から数万年前という、長い年月をかけて海底で降り積もった砂や泥が積み重なってできています。

上に載っているのが火山灰層でしょうか。

崖の上部に見える赤茶色の層は、いわゆる「関東ローム層」などの火山灰が含まれる層だと考えられます。箱根や富士山などの火山から飛んできた灰が、気の遠くなるような時間をかけて積み重なり、この大地を作ったのですね。

子供と並んでみると、そのスケールの大きさがよくわかります。人間の一生など、地球の歴史から見ればほんの一瞬であることを実感させられます。

ジオパークで間近に観察する「大地の変化」

次に、東側の「銚子ジオパーク」として整備されているエリアに移動しました。千葉科学大学の近くには遊歩道があり、安全に、そして間近に地層を観察することができます。

屏風ヶ浦は、長い間、激しい海の波によって削られてきた海食崖(かいしょくがい)です。かつては1年に約1メートルも削られていたと言われていますが、現在は消波ブロックなどによって保護され、その姿をじっくりと見ることができるようになっています。

遊歩道を歩いていると、地層がずれている断層のような場所も見つかりました。

一般的に「断層」というと地震によって地殻が動いたものを想像しますが、ここでは地層自体の重みや、まだ地層が柔らかかった頃に滑り落ちるようにしてできた重力による亀裂ではないかと言われています。こうした現象を観察できるのも、これだけ広大な露頭(地層がむき出しの場所)がある屏風ヶ浦ならではの贅沢です。

デジタルで地球を俯瞰する!Google Earthの楽しみ方

現場でその迫力を肌で感じた後は、テクノロジーを使って違う視点から眺めてみるのも面白いですよ。同じ場所をGoogle MapGoogle Earthで観察してみました。

Google Mapより引用

Google Earthより引用

Google Earthより引用

空からの視点で見ると、屏風ヶ浦がいかに鋭く海に削り取られたのか、その地形の成り立ちがよくわかります。

ちなみに、Google Earth(グーグルアース)を使いこなすと、さらに観察が楽しくなります。ChromeOSやブラウザ版の場合、「Ctrl(コントロール)キー」を押しながらマウスを上下にドラッグすると、視点の角度を自由に変更でき、地層の壁を斜めから眺めるような体験ができます。

以下に便利なショートカットキーを紹介しておきます。

実際の景色を自分の目で見て、さらにデジタルで俯瞰(ふかん)する。このミクロとマクロの視点の行き来こそが、科学の目を養う一番の近道です。

皆さんも、天気の良い日にぜひ屏風ヶ浦を訪れてみてください。足元に広がる数百万年の物語が、皆さんを待っています。

扇状地などをGoogleMapで3D表示すると面白い(三角州、海岸段丘、リアス式海岸)

 

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