赤の光をあてると、緑色は何色にみえる?植物工場の光は紫色?色のナゾを解き明かす

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

色とりどりの光が織りなす、植物と光のふしぎな関係をのぞいてみませんか?🌱

スーパーの野菜売り場などで、「植物工場」という言葉を耳にしたことはありませんか?実は、最近注目されている、太陽の光を使わずに野菜を育てるハイテクな工場では、赤と青の光が活躍しているんです。

こちらの動画は、そんな植物工場での光の使われ方と、色の見え方の面白い関係がわかる実験です。こちらの動画をご覧ください。

同僚に教えていただいた実験なのですが、とっても面白いです。白色の紙を見てみるとよくわかると思いますが、赤と青の光をあてると、白色の紙は紫色にみえます。また白色光をあてると、白色の光は白に見えます。

他の紙の様子をみると、赤は赤、青は青なのに、緑は黒っぽく全く違う色のように見えていますね。

さて、ここで疑問です。なぜ緑色の紙だけが黒く見えてしまったのでしょうか?

なぜ緑色の紙は黒く見えたの?
私たちが「色」として認識しているのは、物体が反射した光の色です。太陽の光や蛍光灯の光(白色光)には、虹の七色のように、さまざまな色の光が含まれています。

例えば、リンゴが赤く見えるのは、リンゴが赤色の光をたくさん反射し、それ以外の色の光を吸収しているからです。

今回の実験では、緑色の紙に赤と青の光を当てました。緑色の紙は、もともと緑色の光を反射し、赤色や青色の光を吸収する性質を持っています。そのため、当てられた赤と青の光の両方を吸収してしまい、反射する光がほとんどなくなってしまったのです。だから、私たちの目には黒っぽく見えたのですね。

植物工場で赤と青の光が使われる理由

この色の見え方の仕組み、実は植物の成長と深く関係しています。植物が光合成を行う際に必要な葉緑素(クロロフィル)は、主に赤色の光と青色の光を吸収してエネルギーを作り出します。逆に、緑色の光はほとんど吸収せずに反射してしまうため、私たちの目には葉が緑色に見えるのです。

植物工場では、この性質を利用して、植物の成長に最も効率的な赤色と青色のLEDライトを当てて、すくすくと育てています。まさに、科学の力ですね!

この様子と植物工場の様子を関連づけて、赤い光で植物を育てる理由について考えさせるというアイデアでした(NHKforSchool)。面白いです。また蛍光灯の光で野菜を育てる植物工場もあるそうです。コスト面でのメリットでしょうか。いろいろな不思議が身の回りにはありますね。

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