なぜ光が揺れる?おしゃれなランプに隠された「フレミング左手の法則」(エジソン電球とバイブラランプ)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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もしも、立ち寄ったカフェで出会った電球が、まるで生き物のようにゆらゆらと踊りだしたら……。あなたは、その不思議な動きの裏に隠された「科学の仕掛け」に気づけるでしょうか。

今日は、150年前に世界を照らしたエジソンの情熱から、現代のインテリアショップで見つけた遊び心あふれる電球まで、光が織りなす「振動」の物語をご紹介します。

世界を照らした京都の竹!エジソン電球の物語

まずは、すべての始まりである「エジソン電球」のお話から。先日、国立科学博物館で展示されていた貴重な姿を動画に収めてきました。

この電球、実は日本と非常に深い関わりがあることをご存知でしょうか。

かつてガス灯やアーク灯が主流だった時代、人々はもっと安全で、家庭でも手軽に使える照明を求めていました。そこで発明王エジソンが目をつけたのが、真空中で電気を通すと光り輝くフィラメントという素材です。

エジソンは、より長く燃え尽きない材料を探し求め、世界中の数千種類もの植物をテストしました。その中で彼がようやく辿り着いた究極の素材が、なんと日本の京都の竹だったのです。

竹ヒゴをルツボに入れ、加熱炉で800度から1000度以上の高温でじっくりと蒸し焼きにする。そうして作られた竹フィラメントは非常に丈夫で、実用的な電球の普及に大きく貢献しました。明治の夜を照らしたあの輝きは、日本の竹が支えていたのですね。

なぜランプはダンスする?バイブラランプの正体

時を経て現代。水道橋駅の近くにあるインテリアショップで、私はとても面白い電球に出会いました。まるでろうそくの炎のように、中の光がゆらゆらと揺れているのです。

その名も、バイブラランプ。あまりに不思議なのでお店の方に許可を得て撮影し、その仕組みを科学的に「解剖」してみました。

バイブラランプ(amazon)

「電・磁・力」が仕掛けるマジック

なぜこのランプのフィラメントは揺れているのでしょうか。動画や写真をよく見てみると、揺れているフィラメントの根元に黒い小さな物体がついているのがわかります。

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実は、この黒いものの正体は磁石です。 「電気」と「磁石」が揃えば、理科の授業で習ったあの法則が発動します。そう、フレミング左手の法則です!

磁石がある場所(磁場)で、フィラメントに電気(電流)を流すと、そこに「力」が発生します。これがモーターを回す力と同じ正体です。さらに面白いのが、私たちがコンセントから得ている電気が交流だという点です。交流は、1秒間に50回または60回という猛烈なスピードで、電気が流れる向きが入れ替わります。

電流の向きが変われば、フレミングの法則で発生する「力」の向きも入れ替わります。その結果、フィラメントは右へ左へと高速で引っ張られ、私たちの目にはゆらゆらと踊っているような振動として映るのです。まさに交流の性質を逆手にとった、おしゃれで科学的なアイディアですね!

身近なところで大活躍!交流の「振動」パワー

この「交流による振動」を利用した製品は、意外と身近なところに隠れています。例えば、熱帯魚の水槽で空気を送り出すエアーポンプ。中にはコイルと磁石が入っていて、交流のリズムに合わせて磁石が振動することでポンプを動かし、あの「ブクブク」を作り出しています。

学校の授業を支える「リズムの達人」

理科室で使った記録タイマーを覚えていますか?台車の運動を調べるあのカチャカチャという音。あれも実は、コンセントから流れる交流の正確なリズム(周波数)をそのまま利用して、1秒間に50回や60回の打点を刻んでいるのです。

ふだん当たり前に使っている電気が、実は1秒間に何十回も「行ったり来たり」しながら振動している。バイブラランプは、そんな目に見えない電気の脈動を、美しい光のダンスとして私たちに見せてくれているのかもしれません。

皆さんもぜひ、家の中にある「振動している電気製品」を探してみてください。そこには、エジソンも驚くような科学のドラマが隠れているはずですよ!

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