【科学監修】冬の「バチッ!」を瓶詰めに?人を驚かせる静電気、ライデン瓶の不思議な世界「オールナイトフジコ」(フジテレビ)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
真夜中のテレビ局で、タレントさんが「ビリビリッ!」…これ、実は私が仕掛けた科学実験なんです。なんて言うと少し大げさですが、科学は時に人をドキドキさせる最高のエンターテイメントになるんですよ。このサイトで、あなたをワクワクする科学の世界へご案内します。先日、2024年4月19日に放送された『オールナイトフジコ』(フジテレビ)という深夜の生放送番組で、科学監修を務めさせていただきました。

静電気を「貯める」魔法の瓶、ライデン瓶の秘密
今回の主役は「ライデン瓶」という科学実験器具。皆さんは、冬場にドアノブで「バチッ!」とくる、あの静電気を経験したことがありますよね?ライデン瓶は、その静電気をたくさん貯めておくことができる、いわば「電気の瓶詰め」を作る装置です。世界で最初に電気を貯めることに成功した器具(コンデンサの原型)でもあり、かの有名なフランクリンが雷の正体が電気であることを突き止めるきっかけにもなった、歴史的なアイテムなんですよ。
ちょうど番組が放送された4月は、冬の乾燥した時期が終わり、だんだんと静電気が起こりにくくなる季節。空気中に水分が増えると、電気は自然と空気中に逃げていってしまうからです。しかし、さすがはライデン瓶!その性能は健在で、しっかりと電気を貯めこんでくれました。

科学監修の舞台裏:最高の「ビリビリッ!」を演出する仕事
私の今回の最も重要なミッションは、安全面の監修でした。ただ電気が流れれば良いというわけではありません。安全すぎると「あれ?」となってしまいますし、強すぎればもちろん危険です。
そこで、出演者の方々が安全に、かつ最大限の「驚き」というリアクションを引き出せるよう、ライデン瓶の大きさを調整し、「適度にビリビリっと感じる強さ」を何度もテストして見つけ出しました。科学の知識を使い、エンターテイメントの「面白い!」をギリギリのラインで支える、非常にスリリングでやりがいのある仕事です。本番では、出演者の皆さんの見事な驚きっぷりが見られましたね。
眠らないテレビ局と科学の役割
深夜のフジテレビに伺ったのはこれで2度目ですが、夜中でも煌々と明かりが灯り、多くのスタッフの方々が走り回っている様子は、まさに「不夜城」という言葉がぴったりです。一つの番組が、いかに多くの人々の情熱と努力によって作られているかを肌で感じました。
そして、その華やかな世界の片隅で、科学という専門知識が「安全性」や「面白さの根拠」として貢献できることを、とても嬉しく感じています。科学は、研究室や教科書の中だけにあるのではなく、私たちの日常やエンターテイメントを豊かにするためにも、すぐそばで活躍しているんですね。
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