宇宙の果てから原子の中へ!伝説の映像「Powers of Ten」が教える驚異のスケール感(パワーズオブテン)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
もし、あなたが公園で芝生に寝転んでピクニックをしているとき、突然カメラが空高く舞い上がり、そのまま雲を突き抜け、大気圏を超え、銀河の果てまで飛んでいってしまったら……? そんな想像を絶する体験を、わずか数分間で味わわせてくれる伝説の映像があるのをご存知でしょうか。
昨日の授業で、生徒たちと一緒にPowers of Ten(パワーズ・オブ・テン)という映像を視聴しました。私がこの動画に初めて出会ったのは、東京学芸大学に通っていた学生時代の講義中でした。あまりの衝撃に、当時の教室の空気まで覚えているほどです。1977年に制作された作品ですが、今見ても全く色あせることのない、科学教育の金字塔ともいえる名作です。まずは、こちらの映像をぜひご覧ください。
10の24乗から10のマイナス12乗へ!圧倒的なスケールの旅
この動画のすごさは、今いる地点から10の24乗メートル(宇宙の果て)まで一気に上昇し、



そこから再び地上へ戻り、さらに皮膚を突き抜けて細胞、原子、そして10のマイナス12乗メートルという素粒子のミクロな世界までノンストップで突き進むところにあります。



理科の授業ではよく「水素原子の大きさはおよそ50pm(ピコメートル)です」といった説明をしますが、正直なところ数字だけではピンときませんよね。しかし、この映像を見れば、私たちが生きている世界がいかに広大なマクロの世界と、緻密なミクロの世界の「ちょうど中間」に位置しているのかが、言葉で説明するよりもはるかに明確に伝わってきます。まさに「乗数(スケール)」の世界を直感的にイメージするのに最適な教材なのです。
授業で活用される先生方へのワンポイントアドバイスですが、もし時間が限られている場合は、4分46秒あたりから見せると、ミクロの世界へのダイブが凝縮されていて、生徒たちの興味を一気に引きつけることができますよ。
タモリさんに学ぶ「時間のものさし」の変え方
このように「空間」のスケールを広げてみると、普段見ている景色が全く違って見えてきます。これは「時間」のスケールについても同じことが言えます。
先日、テレビ番組の『ブラタモリ』を観ていたときのことです。2000年前の噴火について、タモリさんが「つい最近のことだね」と発言されていました。一般的には大昔のことのように思えますが、地球の歴史である46億年という巨大なスケールを基準に持つと、2000年前なんて本当に「たった今」のような感覚になるのです。
タモリさんはこんな面白い例え話をしていました。 「46億円を手に持っていると考えたら、そのうちの2000円なんて、はした金だよね」 この感覚こそが、科学的な視点の面白さです。数千年、数万年という単位を「はした金」ならぬ「わずかな時間」として捉えることで、地球のダイナミックな営みがより身近に感じられるようになります。
理科を学ぶということは、自分の中に新しい「空間と時間のものさし」を手に入れることでもあります。大きな視点と小さな視点を行き来することで、私たちが住むこの世界への理解は一気に深まっていくことでしょう。
科学が映し出す圧倒的なスケールの世界、皆さんもぜひ楽しんでみてくださいね。
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