Google Earthで地球を解剖!水がデザインした「3つの絶景」(V字谷・扇状地・三角州)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

皆さんは、空高くから地球を眺めてみたことはありますか?かつては鳥やパイロットしか見ることのできなかった絶景も、今はGoogle Earthを使えば指先一つで楽しむことができます。でも、ただ「綺麗だな」と眺めるだけではもったいない!地面に刻まれた独特な形には、水が何万年、何億年という歳月をかけて大地を削り、運び、積み上げてきた壮大なドラマが隠されているのです。空からの視点で「水の仕事」を巡るバーチャルツアーへご案内します。

1. 大地を切り裂く水のナイフ:V字谷「グランドキャニオン」

最初に向かうのは、アメリカのアリゾナ州。ここには世界で最も有名なV字谷の一つ、グランドキャニオンがあります。

上空から見ると、荒々しい岩肌が深く鋭く刻まれているのが分かりますね。この深い溝を作った犯人は、底を流れるコロラド川です。川の流れが数百万年もの時間をかけて、硬い岩盤をゴリゴリと削り取りました。これを理科の言葉で下方侵食(かほうしんしょく)と呼びます。

削られた斜面が崩れ、アルファベットの「V」の字のような形になるため、V字谷と呼ばれます。この場所の地層を観察すると、地球の数十億年分の歴史がシマ模様になって現れているんですよ。まさに地球の履歴書を読んでいるような気分になれます。

【Google Earthでの探し方】 検索窓に「Grand Canyon」と入力してください。到着したら、右下の「3D」ボタンを押してみましょう。画面を二本指でドラッグ(またはCtrlを押しながらドラッグ)して視点を斜めに倒すと、谷の深さがリアルに感じられます!

【場所を確認!】 Grand Canyon National Park, Arizona 86023, USA

2. 山から届いた扇状のラブレター:黒部川扇状地

続いては日本に戻り、富山県へ。山から平地へパッと視界が開ける場所に、美しい「扇」の形をした地形が見えてきます。これが扇状地(せんじょうち)です。

急流で知られる黒部川が、山から大量の土砂を運んできます。しかし、山の出口で急に流れがゆるやかになると、重い砂や石を運べなくなり、そこにドサッと置いていってしまうのです。これが積み重なって、綺麗な扇の形が出来上がりました。

扇状地の上部は水が地下に潜りやすいため、かつては開拓が大変でしたが、現在は豊かな農地が広がっています。上空から見ると、人間が自然と共生してきた幾何学模様の美しさに驚かされるはずです。

【Google Earthでの探し方】 「黒部川扇状地」と検索しましょう。少し高度を上げて(ズームアウトして)見ると、川を起点に街や畑が扇形に広がっている様子がはっきりと分かります。周辺の「散居村(さんきょそん)」と呼ばれる家々の並びも観察ポイントです。

【場所を確認!】 富山県下新川郡入善町入膳5232-5

3. 旅の終着駅、命のゆりかご:小櫃川河口干潟(三角州)

最後は、川が海へと流れ込むゴール地点、千葉県木更津市の小櫃川(おびつがわ)河口を訪ねましょう。

川が運んできた最も細かい砂や泥が、海の波に押し戻されるようにして静かに積もった場所。それが三角州(さんかくす)です。小櫃川の河口には、東京湾に唯一残された広大な自然干潟が広がっています。迷路のように入り組んだ水の通り道は、上空から見るとまるで大地の血管のよう。ここはカニや渡り鳥、小さな魚たちの貴重な住処であり、汚れを浄化する「地球の肺」のような役割も果たしています。川が旅の終わりに作り上げた、命あふれる優しい地形なのです。

【Google Earthでの探し方】 「小櫃川河口」と検索してみてください。ズームしていくと、川の出口に溜まった砂州や、潮が引いた時に現れる網目状の模様が見えるはずです。

【場所を確認!】 〒292-0005 千葉県木更津市畔戸880

いかがでしたか? Google Earthで地形を眺めることは、地球が歩んできた時間の流れを覗き見ることでもあります。

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