君の「なぜ?」が世界を創る!理科教師が教える「探究」と「学び」の決定的な違い
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「探究って、普通の勉強と何が違うの?」「探究的な学びって、ただの調べ学習のこと?」
そんな疑問を抱いている先生方や生徒の皆さんも多いはず。実は、2025年12月26日に公開された最新の資料(中央教育審議会のワーキンググループによるもの)で、このモヤモヤが驚くほどスッキリと整理されました。
資料で整理された「探究」の定義を見てみましょう。
探究は
「実社会・実生活との関わりの中で見出す自己の興味・関心や問題意識に基づき課題を設定し、教科等の学びを必要に応じて活用し、試行錯誤しながら、課題解決を通じた新たな価値の創造を繰り返していく学習プロセス」
とされました。
探究のレベルで言うとレベル4がそれに当たります。¥

探究レベルについて Banchi &Bell(2008)より図を改訂
具体的には、以下のようなステップを繰り返す学習プロセスのことでしょう。
課題の設定: 自分の興味・関心や「なぜ?」という問題意識から、自分だけの課題を見つける。
学びの活用: 理科や数学、国語などの教科で学んだ知識を、必要に応じて「道具」として取り出す。
試行錯誤: 失敗を恐れずに実験や調査を繰り返し、解決策を探る。
価値の創造: 単なる正解にたどり着くのではなく、自分なりの新しい発見や解決策という「新たな価値」を創り出す。
これは、かつての科学者たちが新しい発見をしたプロセスそのものです。例えば、ニュートンがリンゴが落ちるのを見て「万有引力」を導き出したように、皆さんの身近な疑問が、世界を変える「探究」の入り口になるのです。
「探究」と「探究的な学び」の違いを分ける「3つの自由度」
では、もう一つの疑問である「探究」と「探究的な学び」の違いは何でしょうか?資料では、学習者がどれだけ「自分で決める(自己決定)」ことができるかという視点から、3つのポイントで整理されています。
その3つの視点とは、「課題」「手続き」「成果」です。

「探究」と「探究的な学び」を明確に区別(出典:文部科学省「生活、総合的な学習・探究の時間WG(第3回)資料」(2025年12月26日))
「探究的な学び」: 先生からテーマが与えられたり、やり方がある程度決まっていたりする状態です。探究の「練習」や「準備」としての側面が強く、まずは型を学ぶ段階といえます。
「探究」: どんな課題を追いかけ、どんな方法で調べ、どんな形で結論(成果)を出すか。このすべてを学習者が自ら決定し、進めていく状態です。
いわば、決められたレシピ通りに料理を作るのが「探究的な学び」、冷蔵庫にあるものや自分の好奇心から、世界に一つだけの新しい料理を生み出すのが「探究」というわけです。
科学の扉を開くのは、あなたの「なぜ?」から
「探究」は、決して特別な才能がある人だけのものではありません。 「なぜこのお菓子はこんなにサクサクなんだろう?」「どうしてこのアプリは使いやすいんだろう?」 そんな日常の小さな「なぜ?」を大切にし、教科書の知識を使って自分なりの答えを創り出していく。その試行錯誤のプロセスすべてが、あなたを成長させる最高の学びになります。
教室は、ただ知識を貯める場所ではなく、新しい価値を爆発させる「実験場」です。皆さんも、自分だけの「探究の旅」に出かけてみませんか?
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