左右交互に曲がるだけ?ダンゴムシの生存戦略をプログラミングで再現してみた(Scarach)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
公園の隅っこ、植木鉢の下……。ひっくり返すと現れる、丸い小さな生き物「ダンゴムシ」。彼らが実は、迷路をスイスイと抜ける天才ナビゲーターであることをご存知でしょうか?今回は、オカダンゴムシの驚くべき能力と、それを応用したプログラミングの実験について、理科の視点から掘り下げてご紹介します。
オカダンゴムシの驚くべき迷路攻略術
オカダンゴムシがいたので撮影をしました。

ダンゴムシが迷路を解くことができるという研究は、高校のプロジェクト学習などでもよく取り上げられる興味深いテーマです。 Wikipediaには、その秘密について次のように書かれています。
動物に迷路を通り抜けさせる実験を迷路実験という。普通は多くの回数をこなして学習をさせなければ成立せず、脊椎動物以外では複雑な迷路を覚えられるものはほとんどないが、迷路に入れられたオカダンゴムシが一発で通り抜けられることがある。
実は、オカダンゴムシには進行中に壁にぶつかると左へ、次は右へ(あるいは右へ、次は左へ)と交互に曲がっていく習性がある。この行動は「交替性転向反応」といい、左右に交互に曲がる事で天敵から逃げられる確率を高めているといわれている。実験によると、前に曲がった方向とは逆の方向へ曲がる確率は前転向点からの距離4cmで約85%、距離16cmで、初めて方向を選択する対照群との差がなくなる[4]。したがって、短い距離で交互に左右に曲がれば抜けられる迷路ならば、オカダンゴムシは学習なしで通り抜けられるのである。
この「交替性転向反応」という言葉、響きがかっこいいですよね。これは、同じ方向に曲がり続けるのではなく、逆方向に曲がることで全体として真っ直ぐ進むための生存戦略です。敵から逃げるとき、同じ方向にばかり曲がっていると元の場所に戻ってきてしまいますが、左右交互ならより遠くへ効率よく逃げられます。自然界の知恵が、迷路という人工的な環境でも見事に機能しているのです。
フリスビーを使った観察実験
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公園でダンゴムシを捕まえて観察をしました。フリスビーの中に入れたところ、なぜか外に出ることができないようで、長い時間その場をぐるぐると回る様子を観察することができました。

プログラムで再現!ダンゴムシ・シミュレーター
「もし壁にぶつかったら、さっきとは逆の方向に曲がる」 このシンプルなルールをコンピュータ上で再現したら、本当に迷路を解けるのでしょうか?実際にScratchで、オカダンゴムシに見立てたキャラクターを使って実験してみました。
ダンゴムシは壁にぶつかったときに、右・左と順番に方向を変えていくそうです。この性質をアルゴリズムとしてプログラムに組み込んでみると……。ダンゴムシ迷路
実際に動かしてみると、結構失敗をすることもあることがわかります。現実のダンゴムシも、曲がり角の間の距離が長くなると、この「交互に曲がる性質」が弱くなることが知られています。シミュレーションを通じても、生物の不思議なルールとその限界が見えてくるのは非常に面白いですね。
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