葉っぱが赤いのには理由があった!ヒメオドリコソウの生き抜く知恵
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
今回出会ったのはヒメオドリコソウ。春先の道端でよく見かける小さな野草ですが、その名前の由来や、よく似た植物との見分け方を知ると、通学路や散歩道の景色がちょっと違って見えてくるかもしれません。
踊り子が並んでいる? 名前の由来

ヒメオドリコソウは、シソ科オドリコソウ属の植物です。茎の先端に、傘のような形をした葉が段々に重なり合い、その間に小さなピンク色の花が並んで咲きます。この様子が、花笠をかぶって踊る踊り子たちが輪になっているように見えることから、「踊り子草」という名前がつけられたそうです。
「ヒメ」は「姫」で、より大型の近縁種オドリコソウに対して、小さくてかわいらしいという意味で添えられています。植物の名前には、こうした見た目からの連想で名付けられたものがとても多く、名前の由来を調べるだけで、観察のヒントがたくさん見つかります。
そっくりさん「ホトケノザ」との見分け方
ヒメオドリコソウは、同じ道端でよく見かけるホトケノザとよく似ていて、間違えられることが多い植物です。実はホトケノザも同じシソ科の仲間なので、姿が似ているのも納得です。
見分けるポイントは主に二つあります。一つは葉の形です。ヒメオドリコソウの葉は先端がとがったスペード(トランプのマーク)のような形をしていますが、ホトケノザの葉は丸みを帯びた形をしています。もう一つは花の色の濃さで、ヒメオドリコソウの花はホトケノザに比べると少し薄いピンク色をしています。
さらに、葉のつき方にも注目してみると面白い発見があります。ヒメオドリコソウの葉は、茎をはさんで向かい合って生える「対生」という形をとっています。植物の葉のつき方には、対生のほかにも、一枚ずつ互い違いに生える「互生」や、一箇所からたくさんの葉が輪のように生える「輪生」などがあり、種類によって決まったパターンがあります。葉のつき方を見るクセをつけておくと、名前がわからない植物でも「この仲間かな」と見当がつけやすくなります。

実はヨーロッパ生まれ、たくましい越冬戦略も
ヒメオドリコソウは、もともとヨーロッパ原産の植物で、日本には明治時代に入ってきた帰化植物だと考えられています。今ではすっかり日本の春の風景に溶け込んでいますが、もとをたどれば「外国からやってきた植物」なのです。
また、上部の葉が赤紫色を帯びているのも特徴の一つです。これは、寒さや強い紫外線から自分の体を守るために、アントシアニンという赤紫色の色素を作り出しているためだと考えられています。私たちが紅葉を見て季節を感じるのと同じように、植物たちは色素をうまく使い分けながら、厳しい環境を生き抜く工夫をしているのですね。
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