有楽町の穴場で新幹線をじっくり観察!「ロングノーズ」に隠された驚きの流体力学
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「時速300kmで駆け抜ける最速の芸術品を、じっくりと観察してみたい」……そんなふうに思ったことはありませんか?私は自他ともに認める「鉄道ファン」というわけではありません。群馬や埼玉といった車社会の育ちなので、どちらかといえば車の方が身近に感じてきました。
それでも、新幹線の機能美や流線型のデザインには、理科教師としての好奇心を刺激されずにはいられません。かつては生徒と一緒に「オレンジ電車おぼえてる?」という絵本を作ったこともあるほどです(残念ながら現在は絶版ですが)。
特に新幹線は、空気の壁を切り裂いて走るための工夫が随所に凝らされた「科学の結晶」です。今日は、そんな新幹線を驚くほど間近で、しかも「ゆっくり」と観察できる、とっておきの穴場スポットをご紹介します。
有楽町の空に浮かぶ、新幹線観察の特等席
その場所とは、有楽町駅の目の前にある「有楽町駅前・東京交通会館」の3階にある屋上庭園です。

ここは都会のど真ん中にありながら、意外と人が少なく、心地よい風が吹き抜ける隠れた名所です。ベンチに座ってのんびりとお昼を食べるサラリーマンや、電車に夢中な親子連れがちらほら。私も先日、10ヶ月になる子供を連れて訪れましたが、とてもゆったりとした時間を過ごせました。
なぜ「ゆっくり」見えるのか?加速と減速の物理学
この場所が新幹線観察に最適な最大の理由は、東京駅がすぐ近くにあることにあります。
物理学の視点で見ると、ここは非常に興味深い地点です。東京駅は終着駅(または始発駅)ですから、上りの新幹線はここで強いブレーキをかけ、下りの新幹線は加速の第一歩を踏み出します。そのため、本来なら一瞬で通り過ぎてしまうN700系などの車両が、まるで歩調を合わせるかのようにゆっくりと動く様子が見られるのです。
この「ゆっくりとした動き」のおかげで、新幹線の特徴的な「顔」の形もじっくり観察できます。例えば、N700系の独特な鼻先はエアロ・ダブルウィング形と呼ばれています。
時速300kmもの超高速でトンネルに突入すると、空気の圧力波が反対側の出口で「ドン!」という爆音を立てる「トンネル微気圧波」という現象が起きます。あの長い鼻のような形は、流体力学を駆使して空気の流れを整え、この騒音を抑えるために進化した究極の形なのです。
五感で楽しむ!科学の後の甘い誘惑
3〜5分に1本という高頻度でやってくる新幹線に、10ヶ月のわが子も目を丸くして見入っていました。動くもの、特に規則正しく動く巨大な機械は、子供の探究心を育む絶好の教材になりますね。
そして、観察でお腹が空いたら、交通会館のグルメも外せません。1階にある北海道のアンテナショップのソフトクリームが有名ですが、理科教師の私がお勧めしたい隠れた逸品は、地下1階にある福岡県のアンテナショップのあまおうソフトです。
あまおうイチゴの濃厚な甘みと酸味のバランスが絶妙で、個人的にはこちらの方がお気に入りです。北海道ショップほど行列にならないので、まさに「食の穴場」と言えるでしょう。
新幹線という巨大な質量が、いかにしてスムーズに静止し、また動き出すのか。そのエネルギーの移り変わりを感じながら、冷たいソフトクリームを頬張る休日は最高ですよ。皆さんもぜひ、有楽町の空の下で科学の風を感じてみてください。
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