物理を「体感」に変える!全国の先生が集うナリカサイエンスアカデミーの裏側
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「理科の実験って、どうしてこんなにワクワクするんでしょうか?」 そう語る先生方の瞳は、まるで初めて科学に触れた中学生のように輝いていました。目に見えない電気や磁気の世界を、いかにして楽しく、そして分かりやすく伝えるか。そのヒントが詰まった、情熱あふれる研修会の様子をお届けします。
今年度最後のNSAを開催しました!
今年度を締めくくる最後のNSA(ナリカサイエンスアカデミー)電磁気学編を2月19日に開催しました。参加された先生方は6名。事後のアンケートでは「大変良かった」が6名全員という結果になり、おかげさまで大盛況で終えることができました。今回、90分という限られた時間の中に凝縮した実験ラインナップはこちらです。
- バンデグラフを使った電場の演示実験(静電気の不思議)
- ブレッドボードを用いたお手軽回路実験(直流回路の基礎)
- イージーセンスを使った電流の可視化実験(直流と交流の違い)
- 中学理科向け:電流計の意外な性質
- 鉄の杭と地磁気(地球そのものが持つ磁場を感じる)
- 地球ゴマと渦電流ブレーキ(磁石がつくるブレーキの仕組み)
- お弁当のフタで電場と電位をイメージ(目に見えない電位の可視化)
- お手軽で不思議な「ファラデーモーター」
- パスカル電線とフレミング左手の法則(電磁気力の体感)
少し詰め込みすぎてしまい、かなりのハイペースになってしまったのがいつもの反省点ですが、実験に取り組む先生方の楽しそうな表情を見て、私もホッと胸をなでおろしました。
ブレッドボードと電気回路
今回の研修で特に好評だったのが、ブレッドボードを使った実験です。ブレッドボードは、はんだ付けをしなくてもパーツを差し込むだけで回路が組める便利な板です。

小さなLEDがピカッと光った瞬間、先生方がパッと明るい笑顔になったのがとても印象的でした。私自身も、初めてブレッドボードに触れて回路が完成した時のあの感動を、久しぶりに思い出しました。
生徒たちに体験させても、やはり全く同じ「光った!」という喜びの表情を見せてくれます。先生方も、その感動を確認するように黙々と回路を組み上げていらっしゃいました。

バンデグラフをつかった実験
静電気を発生させる装置「バンデグラフ」も大人気でした。多くの学校に備品としてあるのですが、「バチッときそうで怖い」というイメージから、なかなか使いこなせていない先生も多い装置です。
しかし、仕組みさえ理解していれば怖くありません。静電気による高電圧ですが、流れる電流はごくわずか。万が一感電しても、指先が少しチクッとする程度です。
授業で盛り上がる演出として、ブロンドのかつらを被って髪の毛を逆立たせる演示方法をご紹介しました。写真は私が体を張って実践しているところです(笑)。

受講された先生方にも実際に体験していただき、物理現象が文字通り「肌で感じられる」実験の楽しさを共有しました。あわせて、バンデグラフの電力を利用して蛍光灯を光らせる際のコツや注意点も解説しました。

「力」を可視化するパスカル電線
パスカル電線とフレミングの法則
さらに、パスカル電線を使った実験もご紹介しました。

磁場の中を流れる電流が受ける力を、電線そのものが動くことで示すこの実験。フレミング左手の法則を頭の中だけでなく、物理的な「動き」として体感できるのが素晴らしい点です。
受講者の皆様からいただいた温かい声
参加された皆様の感想をご紹介します。

多くの励みになるご意見、本当にありがとうございました!
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