豆電球・アナログ電流計・電池をやめた。こんなにスッキリ!(電流の性質)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

「電気って、途中で消えてしまうの?」——そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか?実は、これは理科の授業でも生徒がよく引っかかるポイントです。電流は回路の途中にある抵抗器や豆電球を通ると、減ってしまうのでしょうか?それとも、変わらないのでしょうか?今回は、オームの法則の実験へ向けた準備として、電流の基本的な性質を調べる実験をご紹介します。電気の授業の4時間目の記録です。今までの流れについてはこちらをご覧ください。

豆電球で確かめよう!乾電池と回路の実験

4時間目では、まず身近な乾電池と豆電球を使って回路を組みました。乾電池の数を変えることで電圧を変化させ、「豆電球の前後で電流の大きさはどう変わるか?」を電流計で測って確かめます。

まず仮説立てをしました。豆電球に入る前の電流をI1、豆電球から出た電流をI2として、I1とI2の関係がどうなるのかを考えました。I1がI2よりも大きいという意見が2/3程度、I1とI2が同じという意見が1/3程度、また少数ですが、I2の方が大きいという意見がありました。I1の方が大きいという理由については、豆電球で電気が使われるのでI1の方が大きくなるのではないかという仮説が大半をしめました。I1とI2が同じという意見いついては、血液の流れと同じで、電流も流れ自体はどこかを通っても変わらないのではないかという意見、またI2の方が大きいという意見については、電流の流れる向きは逆だったということを聞いたことがあるのでI2の方が大きくなるのではないかという意見が出ました。

今年から導入した「プチメーター」と呼ばれるコンパクトな電流計を使うことで、回路がすっきりと整理され、測りたい箇所がひと目でわかるようになりました。なんだこのスッキリさは!

実際に実験をしてみたのがこちらです。

電流は豆電球の前後で変化しないのです!これは「電気が消費されてなくなる」のではなく、エネルギーが光や熱に変換されているだけで、電荷(電子)そのものは回路をぐるぐると流れ続けているから。水道管のパイプに水が流れるイメージと同じで、途中で水が消えることがないのと似ていますね。

同じ実験を、今度は豆電球のかわりに抵抗器でも行いました。結果は豆電球のときと同じ!抵抗器の前後でも電流の値は変わりませんでした。これは「電流保存の法則」とも呼べる性質で、直列回路ではどこで測っても電流は一定という、オームの法則を学ぶ上でとても大切な基礎になっています。

豆電球から抵抗器へ——道具の進化が実験を変える

豆電球は身近でわかりやすい教材ですが、適正電圧を超えると切れてしまうという弱点があります。電圧を細かく変えながら繰り返し実験するには不向きです。そこで今後は、より安定して使える抵抗器に切り替えますよ!として、豆電球とはおさらばをすることに。

電源装置(プチX)で電圧を自在にコントロール!

抵抗のほかにもうひとつの大きな変更点が、電源装置 Petit-X(プチエックス)の導入です。

電源装置 Petit-X(プチエックス)

電源装置 Petit-X(プチエックス)シリーズ

乾電池では1.5V刻みでしか電圧を変えられませんが、電源装置を使えば電圧を自由に細かく調整できます。これにより、電圧と電流の関係をなめらかなグラフとして記録することが可能になり、オームの法則(電圧=電流×抵抗)の美しい比例関係がはっきりと見えてきます。

プチエックスを使うと、大型の電源装置を使った時と比べて、回路全体がコンパクトにまとまり、配線もすっきり。「どこに何が繋がっているか」が視覚的にわかりやすくなっています。

プチエックスを使って実際に同じように1.5Vで実験をしてみると、乾電池と同じような結果が出ることを確認しました。乾電池だと消耗して買い替えが必要になりますが、プチXならそんな問題点もありません。乾電池ともここでおさらばです。

道具を整えることが、実験の精度と生徒の理解を同時に高めてくれる——まさに「道具が実験を変える」ですね。

お問い合わせ・ご依頼について

科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・科学のネタ帳の内容が本になりました。詳しくはこちら
・運営者の桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中

科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!

5月のイチオシ実験!

キーンと冷えるドライアイス!気温が上がってくるこの時期・ドライアイスを使った昇華・凝結・等速度直線運動の実験はいかが?

液体ゼロ!ドライアイスが消えるまでの3時間を科学する(昇華・凝結・等速度直線運動)

テレビ番組監修・イベント等のお知らせ

書籍のお知らせ

  • 『大人のための高校物理復習帳』(講談社)…一般向けに日常の物理について公式を元に紐解きました。特設サイトでは実験を多数紹介しています。※増刷がかかり6刷となりました(2026/02/01)
    スクリーンショット 2014-07-05 0.43.51
  • 『きめる!共通テスト 物理基礎 改訂版』(学研)… 高校物理の参考書です。イラストを多くしてイメージが持てるように描きました。授業についていけない、物理が苦手、そんな生徒におすすめです。特設サイトはこちら。

各種SNS(更新情報をお届け!)

X(Twitter)instagramFacebook(日本語)

BlueSkyThreads(英語)

Explore

  • 楽しい実験…お子さんと一緒に夢中になれるイチオシの科学実験を多数紹介しています。また、高校物理の理解を深めるための動画教材も用意しました。
  • 理科の教材… 理科教師をバックアップ!授業の質を高め、準備を効率化するための選りすぐりの教材を紹介しています。
  • Youtube…科学実験等の動画を配信しています。
  • 科学ラジオ …科学トピックをほぼ毎日配信中!AI技術を駆使して作成した「耳で楽しむ科学」をお届けします。
  • 講演 …全国各地で実験講習会・サイエンスショー等を行っています。
  • About …「科学のネタ帳」のコンセプトや、運営者である桑子研のプロフィール・想いをまとめています。
  • お問い合わせ …実験教室のご依頼、執筆・講演の相談、科学監修等はこちらのフォームからお寄せください。