スマホで簡単に撮れた金星!星撮りアプリが失敗した意外な理由

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

早起きして空を見上げたとき、太陽が昇る前の東の空にひときわ明るく光る星を見つけたことはありませんか。実はそれ、星ではなく「金星」かもしれません。少し前の写真になってしまいましたが、2022年2月25日の朝5時30分に、明けの明星(金星)を撮影することができました。今日はこの1枚の写真から、金星にまつわる意外な科学のお話をご紹介します。

なぜ金星はあんなに明るいのか

金星は太陽系の惑星の中で、月に次いで夜空で2番目に明るく見える天体です。地球のすぐ内側の軌道を回っているため地球との距離が近いこと、そして分厚い二酸化炭素の大気とその上を覆う硫酸の雲が太陽の光をよく反射することが、その明るさの理由です。金星の雲は太陽光の約7割を反射するといわれていて、これは月の反射率(1割程度)よりもはるかに高い数値です。まさに「宇宙の鏡」のような存在なのですね。

「明けの明星」と「宵の明星」、実は同じ星

金星は地球より内側を回る惑星(内惑星)なので、真夜中に空高く輝くことはなく、必ず太陽の近くにしか見えません。そのため、日の出前の東の空に見えるときは「明けの明星」、日没後の西の空に見えるときは「宵の明星」と、まるで別の星のように呼び名が変わります。同じ金星なのに、地球と金星と太陽の位置関係によって見える時間帯がガラリと変わってしまう、というのはなんとも面白い現象です。

アプリで撮ると明るすぎて失敗する理由

今回、星撮り用のアプリを使って撮影を試みたところ、逆に明るくなりすぎてうまく撮れませんでした。星の撮影アプリの多くは、暗い星をなんとか写し出すために、シャッターを長く開けたり感度(ISO感度)を上げたりする設定になっています。ところが金星のように非常に明るい天体をこの設定で撮ると、光が飽和してしまい、白く潰れた写真になってしまうのです。結局、今回は普通のカメラでも簡単に撮影できるほど、金星がいかに明るいかを実感する結果となりました。天体写真というと難しそうなイメージがありますが、対象の明るさに合わせて設定を変える、という工夫だけで、見える世界がガラリと変わってきます。

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