【サイエンスショー講師】こまもブーメランも宇宙も同じ!「回転の科学」で小学生が大興奮した2時間(ダヴィンチマスターズ)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「こまってなんで倒れないの?」「ブーメランってどうして手元に戻ってくるの?」
子どもたちの素朴な「なんで?」の裏には、じつは宇宙規模の法則が隠されています。人工衛星が軌道を安定して飛べるのも、自転車が走りながら倒れない理由も、ピザ職人が生地を空中に投げてのばせる技も、すべて「回転」という一つの科学の力でつながっているのです。2026年6月28日(日)、ダビンチマスターズの科学イベントにて、「回転の科学」をテーマにした講師を務めました。この講座では、むずかしい公式は後回しにして、まず手を動かし、回して、飛ばして、体で「あ、そういうことか!」を体験してもらいました。タイトルは「回転の科学ワークショップ〜回して!飛ばして!回転パワーを体験しよう〜」です。

科学部の生徒14名がスタッフとして大活躍
今回は、科学部の生徒14名にもスタッフとして手伝ってもらいました。生徒たちは参加者の小学生と一緒にテーブルについて実験をサポート。コマや飛行体を実際に作って・回して・飛ばして、子どもたちが「あ、そういうことか!」と気づく瞬間に立ち会いました。むずかしい説明は後回し——まずは思いきり楽しむことからはじまります。
参加者は小学1〜3年生で、2時間のプログラムを午前・午後の2回こなしました。午前は参加者41名(8班編成)、午後は24名(4班編成)。場所は昭和女子大学で、三軒茶屋駅から徒歩7分という好立地です。午前は教室がぎゅうぎゅうで、班についた子どもたちも身動きがとりにくいほどの熱気でスタートしました。
プログラムの内容——渦輪からブーメランまで
プログラムはバラエティ豊かな内容で構成しました。まず最初は、ハート型の穴が空いた空気砲にフォグマシンで煙を詰めて、回転しながら進む「渦輪(うずわ)」の動きを観察しました。煙のリングがゆっくり飛んでいく様子に、子どもたちの目が輝きます。この渦輪こそ、「回転」が目に見える形で現れた現象です。
次に、巨大な車輪を使ったジャイロ効果の体験。高速で回転する物体は、外から力を加えても軸がぶれにくい——これを「ジャイロ効果」と言います。自転車が走りながら倒れないのも、ジャイロ効果があるからです。実際に大きな車輪を回して持ってみると、その不思議な「安定感」がじかに手に伝わってきます。
続いて、Xランチャーを使ったジャイロ飛行機の観察と、折り紙を使ったジャイロ飛行機づくり。回転しながら飛ぶことで安定する仕組みを、作りながら体感します。小学1年生の子には折り紙の工程がなかなか難しく、不器用さに苦労している様子もほほえましかったで。その後は外へ出て飛ばし、教室に戻ってからルームブームを使ったブーメランの演示飛行へ。室内で弧を描いて手元に戻ってくるブーメランに、歓声が上がりました。ブーメランが戻ってくる理由もジャイロ効果と「揚力」の組み合わせ——飛びながら回転する翼が、少しずつ進行方向を変え続けた結果、円を描いて戻ってくるのです。
ブーメランづくりでは、1回目の班は時間の関係で作成のみ、2回目の班は外で実際に飛ばすことができました。2回目は進行も修正されてよりスムーズで、子どもたちも飛ばす喜びを体験できました。
教室に戻ってからは、科学部のサイエンスショーを実施。「種子モデル」「色の変わる液体」「リモネン風船」の3つの実験を、生徒たちが工夫して披露しました。どの実験も前のめりで参加してくれる子どもたちの姿が印象に残っています。
今回の学び——次に活かすための気づき
今回は小学1〜3年生を相手に、1回目と2回目でやり方を大きく変えました。その結果、2回目が驚くほどスムーズに進んだのが大きな収穫でした。気づいたことをまとめておきます。
道具の管理が集中力を左右する。道具を全部詰めた箱を机の上に置いておいたところ、参加した子どもたちが触り始めてしまい、話をあまり聞いてくれませんでした。完成したジャイロ飛行機やブーメランも、その都度しまわせることが大切です。2回目は「終わったら箱に戻す」「ペンをしまう」をこまめに促すことで、グッと話を聞いてもらいやすくなりました。
班の規模と人員配置も重要。1回目は41名を14名のスタッフでみましたが、なかなか目が行き届かない場面もありました。工作をともなう場合は、1班6名なら8名のサポートが理想的かなという印象です。また手先の不器用な子が多かったことから、「どこまでを児童自身にやってもらうか」を事前によく検討しておくことの大切さも実感しました。
笛やポータブルマイクがあると便利。子どもたちを集めたり注目させたりする場面では、笛のようなサインがあると効果的でした。教室が広い場合や人数が多い場合は、ポータブルマイクもあると良かったと感じています。
ダビンチマスターズとは?
未来を生きる子どもたちの「非認知能力」を育む体験プログラムです。大学教授やアート・技術分野のプロが直接子どもたちに関わり、遊ぶように楽しみながら「できる!」を積み重ねる場をつくっています。自己肯定感・思考力・行動力・協働力・社会意識力の5つを、体験を通して育みます。
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