【監修】包丁もお湯も不要!冷凍トマトの皮むきに隠された科学のしくみ「THE突破ファイル」(日本テレビ)について科学監修しました

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

包丁もお湯も使わずに、トマトの皮がするりと剥ける――そんな魔法のような技が、科学で説明できると知っていましたか?6月4日(木) 7:00〜放送の「THE突破ファイル」(日本テレビ)にて、科学監修をしました。『その手があったか!ひらめきトッパーマン!!』というコーナーの監修です。番組の最後に名前も掲載されました。

凍らせるだけ!トマトの皮むきの科学

今回監修したのは、トマトを一度凍らせてから流水にあてると、皮がするりと剥けるという技です。料理好きな方なら「湯むき」をご存じかもしれませんが、この「冷凍むき」はそれと同じくらい効果的で、しかも手軽です。では、なぜ凍らせると皮が剥けるのでしょうか? その答えは、水の不思議な性質と、トマトの細胞の構造にあります。

皮が剥ける3つの科学的な理由

まず、トマトを凍らせると、果肉の中の水分が氷になって膨張します。水は凍ると体積が約9%増える、自然界では珍しい物質です。この膨張の力が、トマトの細胞壁を内側から壊していきます。細胞がダメージを受けることで、果肉はやわらかく崩れやすい状態になります。

次に重要なのが、皮と果肉の「水分量の違い」です。トマトの皮は果肉に比べて水分が少なく、凍るときの膨張と、溶けるときの収縮の度合いが果肉とは異なります。この「ズレ」が、皮と果肉の間に小さな隙間を生み出します。

そして最後の決め手が流水です。流水にあてると、表面だけが素早く解凍されます。皮はまだ内側の果肉が固いうちに先にやわらかくなり、その温度差がさらに隙間を広げます。こうして、つるりと皮が剥けてくるのです。

実は、細胞レベルで起きているドラマ

植物の細胞は、細胞壁という硬い「外壁」と、その内側にある細胞膜という「仕切り」の二重構造になっています。トマトが新鮮でしっかりしているのは、細胞の中に水分(細胞液)がパンパンに詰まっているからです。

凍結によって細胞壁が壊れると、この構造が崩れ、果肉はやわらかくなります。一方、皮(果皮)はもともと丈夫で水分が少ないため、構造が壊れにくく、逆に「浮いた」状態になります。凍結・解凍という温度変化が、まるで皮を「押し出す」ように働くわけです。
番組内では時間の関係から科学的な説明はありませんでしたが、このような面白いしくみが隠れていました。ぜひ冷凍トマトで試してみてください。

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