サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
今回は、いつもの授業に一味違うスパイスを加える、重力加速度の測定実験についてご紹介します。最近、大学生と一緒に、デジタル記録タイマー「記録タイマーd」を使った実験に挑戦しました。この新しいツールが、生徒たちの理科への興味をさらに引き出すきっかけになること間違いなしです!
理科の実験は、座学では味わえない「発見」の連続です。特に、重力加速度を、自分の手で計測し、数値を目の当たりにする経験は、生徒たちの学びを深める上で非常に重要です。打点式の記録タイマーも素晴らしいですが、このデジタル記録タイマーは、その場でデータが手に入り、すぐにグラフ化できるという利点があります。データの解析という、一歩進んだ学習も可能になります。
それでは、具体的な実験方法と準備について見ていきましょう。
実験の準備と手順
- 必要なもの:
- 記録タイマーd(デジタル記録タイマー)
- 記録テープ
- 適当なおもり(単一電池100gがおすすめです)
- 机
- 固定具があるとより良いですね
手順:
- 記録タイマーdの固定:
記録タイマーdを机にしっかりと固定しましょう。ぐらつくと正確なデータが取れません。 - おもりの取り付け:
記録テープの先端に、おもりとして単一電池(100g)をセロハンテープでしっかりと取り付けます。 - 測定開始:
記録テープの上端を指でつまみ、静かに手を離します。おもりが落下する際のテープの動きがデジタル記録タイマーに記録されます。
この方法を試したところ、非常に安定したデータが取得できました。生徒たちにも分かりやすく、スムーズに実験を進められるはずです。
測定結果の考察
この実験で興味深い現象が見つかりました。データの最初と最後で、重力加速度が9.8m/s²をわずかに超えることがあるのです。これは一体なぜでしょうか?
この疑問について、開発元のナリカのKさんに伺ってみました。すると、興味深い仮説が浮上しました。記録テープが落下前にわずかに伸びており、手を離した瞬間にそのテープが縮むことで、一時的に加速度が増加する可能性があるとのことでした。これは、打点式の記録タイマーでも同様に観察される現象だそうです。
私もまだ詳しく解析できていないのですが、この現象を授業で取り上げてみるのはどうでしょうか。「なぜ、はじめと終わりだけ特別な値になるのだろう?」と問いかけることで、生徒たちはより深く思考するきっかけを得ることができます。生徒たちと一緒に、テープの材質や長さ、おもりの重さなど、様々な条件を変えて実験してみるのも面白そうです。探究心をくすぐる、最高の教材になりますよ!
ぜひ先生方も、このデジタル記録タイマーを使った実験で、生徒たちと理科の奥深さを体験してみてください。新しい発見が、きっと次の授業のヒントになるはずです。
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