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その「感覚」、実は間違い? 物理の授業でつまずきやすい”誤概念”

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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「物理」の分野は、直感的に理解しにくい概念が多く、教える側としても頭を悩ませることが多いのではないでしょうか。「なぜこうなるの?」「感覚と違う!」といった子どもたちの素朴な疑問の裏には、実は多くの**「誤概念」**が潜んでいます。私たちの日常の経験や感覚は、時に物理現象を正しく理解する上で大きな壁となることがあるのです。

例えば、「止まっているものには力が働いていない」「重いものほど速く落ちる」といった考えは、多くの人が無意識のうちに抱いている「感覚」かもしれません。しかし、これらは物理学の基本法則からすると、明確な間違いです。これらの誤概念は、一度定着してしまうと、その後の学習内容の理解を妨げ、生徒たちの「なぜ?」という探究心にブレーキをかけてしまうことにもなりかねません。

そこで今回は、中学校の理科でつまずきやすい物理の主な誤概念に焦点を当て、その原因と、子どもたちの「なるほど!」を引き出すための指導のヒントを、具体的な例を交えながらご紹介します。これらの誤概念を紐解き、生徒が物理の面白さ、奥深さに気づくきっかけを提供しましょう!

1.「動き」と「力」にまつわる誤解:なぜ物体は止まるのか?

物理を学び始めた子どもたちが最も抱きやすい誤解の一つが、運動と力に関するものです。私たちの日常では、動いているものはやがて止まりますし、重い物を持ち上げるには大きな力が必要です。しかし、これらは「抵抗」や「重力」といった特定の力が働いているからこそ起こる現象であり、普遍的な物理法則ではありません。

2.「エネルギー」にまつわる誤解:消えるエネルギー、使い切る電気?

「エネルギー」もまた、日常会話で使われる意味と物理的な意味が異なり、誤解を生みやすい概念です。

3.「熱」と「温度」にまつわる誤解:熱いものが熱を多く持っている?

熱と温度も混同されがちですが、これらは異なる概念です。

4.「光」と「音」にまつわる誤解:目は光を出す?

私たちの身近な現象である光や音も、意外な誤解があります。

5.「重力」にまつわる誤解:宇宙には重力がない?

重力は宇宙のあらゆる場所で作用する基本的な力ですが、その理解もまた誤解されがちです。

誤概念を乗り越え、物理の面白さを伝えよう!

これらの誤概念を解消するためには、子どもたちの直感に訴えかけるような実験や、日常現象と物理法則を結びつけた具体的な例を提示し、繰り返し議論する機会を設けることが非常に重要です。

物理は決して難しいだけの学問ではありません。私たちの身の回りの現象を解き明かす、ワクワクするような学問です。ぜひ、これらのヒントを参考に、生徒が物理の面白さに夢中になる授業を考えていきましょう。

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