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「星空」を創ろう!ピンホールカメラで実現する、光の不思議手作りプラネタリウム

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

皆さんはピンホールカメラをご存知でしょうか? 小さな穴を通った光が、目の前に実像を映し出す、あの不思議なカメラです。私も一昨年、科学部の生徒たちと一緒にピンホールカメラを作って、色々なものを観察してみました。すると、まるで昔の映画のような、ちょっとレトロで味のある実像が映し出され、生徒たちと一緒に感動したのを覚えています。

ピンホールカメラは、日常の中にも隠れています。例えば、皆既日食の時、三日月形に欠けた太陽をピンホールカメラで地面に投影すると、見事に三日月形の影が映し出されました。さらに驚くべきは、木々の葉っぱと葉っぱの間にできた小さな隙間を通った木漏れ日ですら、その光が地面に三日月形に投影されていたことです。普段、丸い太陽の光の木漏れ日を見ても気付きませんが、実は私たちの身の回りには、ピンホール現象によって太陽の形が投影されているものがたくさんあったんですね!

そんなピンホールカメラの原理に魅せられた地学部の生徒が、なんと手作りのプラネタリウムを作ろうと試行錯誤を始めました。彼らは巨大な星を映し出す「メガスター」のような本格的なプラネタリウムから発想を得て、「自分でも作れないものか?」と挑戦していたのですが、なかなかうまくいかずに悩んでいたようです。そこで私が、「穴を小さくしてみては?」「光源は何がいいかな?」と少しアドバイスをすると、生徒たちはさらに工夫を重ね、見事に美しいプラネタリウムを完成させました。その精巧な投影に、私も心から感動しました!

今日は、そんな生徒たちの素晴らしい発想から生まれた手作りプラネタリウムの作り方をご紹介したいと思います。理科の授業準備や科学部の活動、あるいは生徒への自由研究のテーマ提案にも役立つはずです。この「科学のレシピ」を活用して、ぜひ生徒たちと一緒に、光の不思議と宇宙の美しさを体験してみてください!

科学のレシピ

この手作りプラネタリウムは、とてもシンプルな材料で、驚くほど本格的な星空を再現できます。


準備するもの


手順

  1. 展開図を厚紙に印刷して、プラネタリウムを組み立てる まず、プラネタリウムのドーム部分となる展開図を厚紙に印刷します。インターネットで「プラネタリウム 展開図 無料」などで検索すると、様々なタイプの展開図が見つかります。 印刷した展開図の指示に従って、はさみで切り取り、のりやテープで組み立ててドーム状にします。厚紙を使うことで、光が漏れにくく、より暗闇で星が鮮やかに見えます。

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  2. 星座の形に安全ピンの針で穴をあける 組み立てたプラネタリウムのドーム部分に、星座の形になるように安全ピンの針で小さな穴を開けていきます。 ポイントは、穴をできるだけ小さく開けることです。 穴が大きすぎると、星の像がぼやけたり、光が広がりすぎてしまい、かえってきれいに見えません。針の先端で軽く刺すように、慎重に作業しましょう。教科書や星図を参考に、オリオン座や北斗七星など、特徴的な星座を再現してみるのがおすすめです。

  3. 紙コップの底に豆電球を差し込み、電池とスイッチと配線する 紙コップの底の中央に、豆電球が通るくらいの穴を開けます。そこに豆電球を差し込み、ぐらつかないように固定します。 次に、豆電球のリード線に導線を接続し、電池とスイッチ(もしあれば)とつなぎます。豆電球と電池の正しい極性(プラスとマイナス)を確認して接続してください。

  4. 紙コップの底と1で作ったプラネタリウムを接続する 組み立てたプラネタリウムのドームの底辺と、豆電球を固定した紙コップの開口部を接続します。光が漏れないように、しっかりとテープなどで固定しましょう。これで、手作りプラネタリウムの完成です!


観察と工夫のポイント

完成したら、部屋をできるだけ暗くしてください。そして、プラネタリウムを手に持ち、白い壁や黒い紙などのスクリーンに向けて、豆電球を光らせてみましょう。

この手作りプラネタリウムは、光の直進性、実像の形成、そしてピンホール現象という、理科の重要な概念を楽しみながら学べる最高の教材です。ぜひ生徒たちと一緒に、自分だけの星空を創造してみてくださいね!

手作りをしてしまうなんて、生徒の発想はすごいです。次はプラネタリウムドームも作ってみませんか?

教室が宇宙に変わる!段ボールでつくる手作りプラネタリウムドーム

 

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