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黒板を拡張!ハイブリット黒板アプリkocri(コクリ)の使い方

みなさんはkocri(コクリ)を使っていますか?

kocriはあらかじめ用意した画像を、黒板に映し出すために作られた
iPhoneアプリです。このアプリの開発時をしたのが、黒板を販売しているサカワさんと面白法人カヤックさんです。

アプリの基本的な画面は、powerpointのように、スライド上にいろいろな画像を配置していけるようになっています。
この配置した画面を、プロジェクターとiPhoneから、スクリーンではなく黒板に直接投影します。

「なんだ~単なるプレゼンソフトと変わらないじゃない」

と思いますよね、ちょっとまった

このアプリの一番のポイントは、黒板に映し出す画像を、
ワンタッチで白黒にして投影できることです。

これがすごいんです!こちらの動画をご覧ください。実際にぼくが授業で使っている様子です。

そしてこちらがプロモーション動画。

まるでチョークで書いたかのように表示されていますよね。

例えばこちらの画像を見てください。

これはぼくが使っている円運動の速度の影をプロットすると、単振動の速度になるということがわかる
ワークシートで、生徒のプリントにはこの画像が貼ってありいっしょに生徒と作図をしていくというものです。

当初は、私は生徒に作図を指示して、生徒がやっている間に、
この図を黒板に描いていました。

この作業が大変で、黒板に書いている間は、生徒の様子をみにいくことができないのが悩みのたねでした。

そこで、独自で白黒黒板投影法という手法で、プロジェクタを使って、
黒板に白黒反転した画像を写しだして、
その上から作図をするという技をつかっていました。

詳しくは上記のリンクからみてほしいのですが、
これは予め黒板にうつす画像を白黒反転を1つ1つして、
スライドソフトにはりつけて、黒板に映し出すという方法です。

わかりにくいのですが、黒板にあらかじめ薄く白い線がはいっています。
それがプロジェクターが写しだした線です。
そこに赤や黄色のチョークで、説明をしながらリアルタイムに書き加えていきます。

これは別の先生の例。心臓部分を映し出している。
その上から板書をしている。

白黒反転投影法については、詳しくは次のリンクをごらんください。

この方法の良い点は、予算がまったくかからないこと(今ある黒板をそのままつかえる)、
アナログを大切にしているところです。

電子黒板のメリットはつきつめれば、

・教師の板書時間を減らすことができる、

・写した画像の上から、リアルタイムに生徒とやり取りをしながら書き加えることができる

というところが一番大きな特徴かと思います。
今までのOHPやパワーポイントでは、リアルタイムでの書き加えということが不可能でした。

これが大きい!

(この他に情報の共有機能というものがありますが、実はこの共有については、
あえて電子黒板でなくてもプロジェクター+PCで足りてしまいます)

その電子黒板の2大メリットを、この白黒にして写すというアイデアで、従来のプロジェクターのみで満たしているんです。

英語や国語の文章を黒板に写しとる時間が減っただけで、
授業効率がすごいアップするんですよね。

白黒反転を教えていただいたT先生の例

この方法を使ってからというもの、
生徒の様子をみてまわりながら、アドバイスをする時間を持つことができました。

これは良い!と思い、このような実践を名古屋などで講師として呼ばれた時などに
いろいろな先生方に共有をしていました。

そんなあるとき、サカワの坂和さんから連絡をいただき、
テストバージョンのkocriというアプリを見せていただきました。

これがまさに白黒反転投影法を、もっとらくに、自由にさせてくれるソフトだったのです。

そのときに、いろいろこうしてほしい、ああしてほしいというのを伝えたところ、
後日kocriのアプリのテストバージョンを特別にインストールさせていただき、授業に導入をはじめました。

それが6月頃だったかと思います。

そしていろいろ意見を伝えて、とうとう8月に配信されました。

kocriはiPhoneアプリなので、iPhoneの使用を前提にしています。
appleTVがあると無線でも飛ばすことができますが、なくても使えます。
ぼくは有線で、三脚スタンドに立てて使っています。

上の赤い四角がkocriで映し出している部分です。

kocriが面白いのは、iPhoneという小さな端末から使うことを前提に作られていることです。

もちろんiPadにも入りますので、ぼくはiPadからのほうがいいかなと思っていましたが、
実際に使ってみるとiPhoneは小型で手軽。

だから私はじつは通勤中に電車の中で教材を作ったりしています

事前に朝自宅で貼りたい画像を用意しておき、
kocriに通勤中にいろいろな画像をはりつけ、白黒反転をしています。

その作業をしながら、スライドの順番を入れ替えたりして、
授業の流れの調整をしてます。

白黒反転投影法ではPCをつかって白黒反転するのが少し煩わしいところでしたが、
kocriなら、直前まで授業準備が気楽にできるというのが、大きいところです。

例えば、こちらは小学生実験講座で使ったところ。
波の干渉模様をかくときの様子です。

後ろの円がすべてkocriをつかってプロジェクターから写したものです。

このように書き加えていきます。

非常に便利なアプリで、助けられてます!

開発元の坂和さんにお話を伺ったところ、
kocriは現在は無料でインストールして使うことができ
10月以降は課金になるものの、基本的な機能は無料のまま、提供されるということです(^^)
(一部機能に制限が出るそうですが、普通に使えます!)

この課金については学校一括導入を念頭に、サポートを拡大させて導入するだけで、
教師一人ひとりから課金をしようという考えではないとのこと。
開発費が多くかかっているだろうに、ふとっぱらです。

教師はぜひ1つはいれておきたいアプリです(^^)
ぜひ試してみてくださいね!

kocriの使い方マニュアル

それではこのkocriの使い方について説明をしていきます。
みなさんもiPhoneを立ち上げながら確認してみてください。

まずはkocriを立ち上げて、新規作成のボタンを押します。すると日付のフォルダが作られます。ここをタップします。

これが基本の画面です。1のスライドにさっそく教材を貼ってみましょう。
あらかじめPCから自分のDropBoxの一番上に、プリントから切り取った画像データなどを入れておきます。
例えばぼくが入れた画像データはこちらです。

これをkocri上から呼び出します。下のマイファイルをタップ。

すると、iTunes同期ファイル、カメラロール、Dropboxのメニューが出てきます。カメラロールから取り込むこともできますが、DropBoxがおそらく教員にとってはおすすめですよね。タップします。

するとDropBoxのファイルから、画像ファイルのプレビューが表示されます。画像をタップすると、スライドにはりつきます。

張り付きました。次のスライドも作りたい時には、真ん中にある「+」ボタンをタップします。

すると、2のスライドが表示されます。このようにして何枚も作ることができます。

1にもどって、先ほどつけた画像を白黒反転をしてみましょう。

まず画像をタップします。すると、一番下のバーのところに、「設定」ボタンが表示されます。これをタップ。

設定画面が開いたら、右上に白黒の四角いボタンが表示されます。これをタップすると、

黒くなりました。簡単ですね。これでプロジェクターと接続をすれば、上部の画面のみが表示されます。
ちなみに緑の部分は表示されないので安心です。

また画像の右下についている矢印ボタンを動かすと、拡大縮小も簡単にできます。
授業中に少し小さかったかなとかいうものや位置を動かしたい時など、
ほんとうに便利です。

以上です。この他にも、いろいろな機能があるのですが、ぼくが使っているのはブラックモードで、
右上にある黒板にスラッシュ「/」がついったマークのボタン。

これを押すと、黒背景を映し出すため、プロジェクタを消さなくても
そのまま板書を続けることができます。

みなさんはどんな使い方をしていますか?
もしこんな使い方がある!など面白い技やアプリがあったらぜひ教えて下さい(^^)

掲載情報

授業の様子が取材されて、東京新聞に載りました

GOOD DESIGN Marunouchi 企画展 近未来のてざわり 関連企画 Kocri 模擬授業+体験会を行いました。

また私が個人的に、初めてiPadを導入する方のために、イチからマニュアルを描きました。もしよければ参考にしてみてください。

教師のためのiPad活用術

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