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【物理の鬼門】コンデンサーとスイッチ、この2つのパターンさえ覚えればOK!

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サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

ケン博士コンデンサーとスイッチの問題は得意じゃろうか?

諸君、勉強は順調に進んでいるかね?物理の授業もいよいよコンデンサーの分野に入ってきた頃合いじゃろうな。この単元、最初は何となくついていけても、スイッチのオン・オフや、誘電体を挿入したり、極板間隔を変えたりする問題が出てくると、途端に頭の中がごちゃごちゃになってしまう生徒が多いと聞く。

「スイッチ入れたままだと電圧は変わらない?」「スイッチを切ったら電気量は保存される?」…なんだか呪文のようで、なぜそうなるのか、頭の中で現象をイメージできずに丸暗記しようとしていないか?

物理は、暗記じゃなく、現象を理解することが何より大切じゃ。特にコンデンサーの単元は、単に計算するだけでなく、頭の中で電気の「流れ」や「たまり方」を立体的に思い描くことが、得意になるための秘訣じゃぞ。

そこで、今回はそんな悩める諸君のために、コンデンサーの基本が詰まったとっておきの問題と、その本質を理解するための解説を用意したぞい!この問題がパッとわからなかったら、ぜひ解説動画を見て、コンデンサーのイメージを掴んでほしい。諸君の健闘を祈る。

問題

電気容量が1μFで、極板間隔がdのコンデンサーがある。このコンデンサーを100Vの電源につないで充電をした。これを状態Aとする。

問題の図1

問題の図1

次の各問の物理量を答えなさい。

(1) 状態Aから、スイッチを入れたまま、比誘電率2の誘電体をコンデンサーに挿入した。十分時間がたったとき、コンデンサーに蓄えられている電気量を求めなさい。

問題の図2

問題の図2

(2) 状態Aから、スイッチを切ってから、極板間隔を2倍にした。十分時間がたったとき、コンデンサーの極板間の電圧を求めなさい。

問題の図3

問題の図3

どうじゃろうか。パットひらめかなかったものは、もしかしたら電気量とか電気容量がイメージできていないのかも、しれない。そこでこちらの解説動画をぜひご覧頂きたい。

ケン博士と解く!コンデンサーとスイッチ(高校物理) A condenser and switch with KEN HAKASE

※ 動画の中で電池の向きと電気量の+・−の向きが逆になっていました。解く上では問題がありませんが、ご注意ください。

どうじゃったかの?では、そろそろ研究室に戻る時間がきた。また会おう!

コンデンサーの物理を「見える化」しよう!
助手ケン博士ありがとうございました。

ケン博士の動画にもありましたが、コンデンサーの問題を攻略するカギは、物理量のイメージです。特にこの2つのパターン。

スイッチを入れたまま(電源につないだまま):コンデンサーの電圧は、電源の電圧と等しいまま一定になります。これは、まるで水道管に繋がったコップのようです。コップの大きさが変わっても、水道管の水圧(電圧)は常に一定に保たれます。

スイッチを切ってから:コンデンサーに蓄えられた電気量は、どこにも逃げることができず保存されます。これは、満タンになったコップにフタをして持ち運ぶようなイメージです。コップの形が変わっても、中に入っている水の量(電気量)は変わりません。

この2つのルールを頭に叩き込むことが、問題を解く上で非常に重要になります。そして、この関係性を表しているのが、あの有名な式、Q = CV です。

Q(電気量):コップに入った水の量

C(電気容量):コップの大きさ

V(電圧):水を押し込む力

電気容量(C)は、極板の面積や間隔、誘電体の有無で変わります。つまり、コップの大きさが変わるということです。電圧(V)は電源の力、つまり水を押し込む力です。そして、電気量(Q)は実際にコップに溜まった水の量。

このイメージがしっかり頭に入っていれば、問題が問うている状況が、水道管に繋がっているのか、それともフタをされているのか、そしてコップの大きさがどう変わるのかを瞬時に判断できるようになります。

そろそろ受験を意識した勉強にうつってきますね。センター試験や共通テストでもコンデンサーとスイッチの問題は頻出です。この機会にぜひ、単なる計算ではなく、現象を「見える化」する力を身につけていきましょう!ケン博士の助手として、ぼくもみなさんと一緒に頑張っていきますので、ぜひついてきてくださいね。

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