自分の欲望を一般化させて隠す魔法の言葉『じゃないですか?』

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。 

発想力は鍛えられる!

視点を変えるためのヒントは日常生活にありました。

 

「毎月新聞」

科学では常識を疑い視点を変えたことによって
様々な法則を発見してきました。

なにもガリレオやアインシュタインのようになれる!
とは思いませんが、常日頃から視点を変えてみたら?
と考え続けることはとても大切なことです。

 ピタゴラスイッチの「ピタゴラ装置」や,「だんご三兄弟」でおなじみの

佐藤雅彦さん。今回紹介する本は
佐藤雅彦さんが毎日新聞で月1回のせていたコラムをまとめたものです。

これがすごい面白いんですよね。ここから少し紹介したいと思います。

じゃないですか禁止令

佐藤さんが仕事で使用するために
「外国の珍しいパッケージのお菓子」を買っておいておくと、

佐藤さんの会社のアルバイトの女子大生が、

「ほら,私たち学生って,こういうレアものに弱いじゃないですか」

と、そのお菓子に目を輝かせて、もらいたくて何気なくいった一言、

「じゃないですか」

「〜じゃないですか?」

ということによって

「自分が欲しい」こと

「学生一般論で置き換えている」

と、佐藤さんは分析をしています。

さらにはこの言葉には、

「あなたが知っていて当然!」

というニュアンスも含まれている。
本当に普段の何気ない会話で聞いた

「〜じゃないですか」

の一言で自分が感じた違和感の原因を
突き詰めていくその姿勢が「さすが!」
と思いました。

日常のクラクラ構造

ゴミ袋を買うと、包み袋の中に、20枚などたたまれた
ゴミ袋が入っています。

そんなゴミ袋をつかっていた佐藤さん。
最後の一枚が入っているゴミ袋の入った包み袋から、

ゴミ袋を取り出し、ゴミ箱にセットします。

そして必要なくなった、
ゴミ袋が入っていた包み袋(もう0枚なのでただのゴミ)
を、ゴミ袋の入ったゴミ箱に捨てる。

これはとっても奇妙な現象です。

ゴミ袋の入った包み袋は、
中のゴミ袋をとりだすことによって,
その機能を失い、ゴミになる。

そしてゴミ袋の中に包袋は入れられる、、、。

なにかクラクラする感覚になったと佐藤さんはいいます。

そんな視点があるんですね!なんとなく
ウロボロスの蛇(wiki)を考えて、

スクリーンショット(2013-10-06 21.31.50)

 

ぼくもクラクラしてしまいました。
面白くありませんか!?

この他にも、日常にあふれたちょっと違和感を感じる面白い現象を見つけて

「なぜか?」

ということについて考えています。

これらのコラムが面白いのは、私達の身近にありながら
私達が見逃している違和感を発見し、目をつけて、
なにが違和感の原因なのか分析していることです。

ニュートンは誰もが見ていたリンゴが木から落ちる様子をみていて
重力を発見したといわれています。

アイディアはその辺にいつも転がっていて
誰もが見ていて,それらに目を向けられるかどうか
それが大切なのかもしれません。

毎月新聞はこちらの本

毎月新聞 (中公文庫)

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