やっかいな縦波は横波で描いてしまおう!【スマホで物理 #05】

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#05 縦波を描くのは面倒…横波表記で解決!

縦波は密度が伝わっていく波。

だからといってそのまま図にして表そうとすると、正確に描くのが簡単にというわけにはいきません。横波なら簡単に、正確に描くことができます。

また縦波をそのまま書いてしまうと、1つ1つの媒質がどこを中心として振動しているのか、分かりにくくなってしまいます。でも横波なら、媒質が上下に振動しているので、次の図のコノ赤の媒質

 は振動の中で上のほうに、アノ緑の媒質なら下の方に、ソノオレンジの媒質はちょうど中心に、というようによくわかりますよね。

そう、縦波も横波のように表記ができれば、その様子を描きやすく、つかみやすくなるのです。縦波と横波の違いはその振動方向が、上下なのか、水平なのか、の違いだけですから、横波のようにすることは実は簡単にできるのですね。

それではこちらの動画を御覧ください。動きの中で横波を縦波に変換する方法をまとめました。

それでは、もう一度復習をしてみましょう。こちらの図を見てみて下さい。

 例えばこの黄色のリング(媒質)を見てみると、黄色のリングは黄色の◯の場所を中心に左右に振動しているのがわかります。このようにそれぞれの色の◯は、リングがもともとある位置につけてみました。例えばt=4の絵を使って、振動の中心からそれぞれのリングがどの場所にいるのかを矢印で示してみましょう。

すると白いリングは中央にいるので矢印無し、赤いリングは右の矢印、黄色いリングは右に長い矢印、ピンクのリングは中央にいるので矢印無し、緑のリングは左の矢印、紫のリングは左に長い矢印…となります。矢印で描くと、それぞれのリングが普段の位置からどのくらいずれているのかがよくわかりますね。

ここで次の図のように縦軸を新しく作り、

上に「リング(媒質)の右方向へのずれ幅の大きさ」を、下に「左方向へのずれ幅の大きさ」をとります。例えば黄色の矢印のように右の場合には、その媒質が中心位置より右にずれていることから、上に倒します。また、紫の矢印のように左に矢印が伸びた場合には、下に倒します。

このように、右に伸びた矢印は上へ、左に伸びた矢印は下へと向きを変えて、矢印の頭をなめらかな線でつなぐと、次の図のように横波ができあがります。

あら不思議、縦波を横波のようにして表現することができました。これを縦波の横波表記といい、カラオケ屋などでの音の波形表示などで身近にも見ることができます。

また「横波表記された他縦波」と、「疎」、「密」の場所を対応させてみましょう。

上の図のように、横波の下り坂には「密」が、上り坂には「疎」が対応していることがわかりますね(波が右に動いている場合について)。同じように、t=5,6の縦波を横波に変形させ、並べたのが次の図です。

 この図を見るとわかるように、縦波の「疎」、「密」が右に動いていることがわかります。

続きます。

せっかく横波表記した縦波をもとに戻してみよう!【スマホで物理#06】

参考情報

波については拙著も参考にしてみてください。

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