放射線を止めるためには?多田将先生の例え話でよくわかる

多田将先生の「放射線について考えよう」も、第4章まで読み進めました。このサイトでは、高校生におすすめしたいという箇所や、私が面白いなとおもった表現などについてご紹介したいと思います。無料で公開されていますので、原文にもぜひ当たってみて下さい。とても読みやすい文章と、かわいいイラストで公開されていますので、中学生以上であれば、どなたでもお読みいただけると思います。

第4章では、少し話が難しくなってきました。グラフや定量的なお話もでてきていますので、ゆっくりと読み進めてみてほしいと思います。

この章でのメインは、α線、β線、γ線、中性子線の性質についての説明とそれらから身を守るためには?ということについてです。どれも物理基礎でも物理でもでてくる放射線で、教科書にもさらっと「遮蔽(しゃへい)」などと登場しています。あまり疑問に思うところも少なくさらっと書かれていますが、この遮蔽を理解するのがなかなか難しい。

多田先生はまず放射線が与える影響については、そのおおきさから、

放射線は原子核や電子の大きさですので、被害をあたえる相手も、その大きさのものになります。

ということから話をはじめています。当たり前のことですが、忘れてはいけないスケール感の確認ですね。そして、それぞれの放射線を止めるためにはどのようにすればいいかというと、結論だけ抜き出して書くと、次のように書かれています。

α線

金属中の飛程は、アルミニウムで25μm、金で9μmです。Amazonで売っているアルミフォイルを見てみると、厚さ11μmのものと60μmのものとがあります。60μmのもの1枚でα線を停めることができます。

β線

本の紙1枚では防ぐことはできませんが、20枚もあれば防ぐことができます。

γ線

たとえば100kgの鉄と、100kgの鉛と、100kgの水があった場合、γ線に対する遮蔽能力は、どれもほとんど同じです。よく鉛だけが放射線の遮蔽材料としてきわだって優秀であるかのように勘違いしている人がいますが、それは比重が大きいので薄くできるだけであって、結局、同じ遮蔽効果を生むための重量は、水も鉛も同じなのです。

中性子線

γ線とは逆に、比重が小さい物質のほうが遮蔽効果は高いことです。

繰り返しますがこれらの文章は抜き出してきたので、より多くの文章が前後にあり、その理由を説明しているのでぜひご一読ください。このように放射線の性質を並べてみると、例えばγ線はなぜ比重が大切なのか?とか、中性子線はなぜその逆なのか?など様々な疑問を持つと思います。

それらの疑問について、縄跳びの回し方とくぐり抜けやすさの例や、ビリヤードでの球のバウンドの仕方のお話など、いろいろな例え話をつかって説明してくださいます。特に中性子線についてはあまり深く学習をしないと思いますので、この放射線の特殊性をよく知ることができる作りになっています。

第5章ではとうとう「人体への影響」の話に入っていきます。毎週楽しみですね(^^)

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桑子 研(くわこけん)
 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。