2つのグラフでバッチリ!波で使う5つの量【スマホで物理 #03】

ケン博士
今回は波の分野に登場する物理量と、それらの関係を表す式を紹介します。サイエンストレーナーの桑子研です。 

波を表す文字(物理量)

復習 前回(#02)のまとめ

・y-xグラフは写真であり、ある時間のときの波の形を表現している。(時間が決まる)

・y-tグラフはある媒質が今後どのように動くのか?を表現している。(場所が決まる)

 

 物理では、距離はxやyやzまたは長さをLなどの文字を使って表します(単位はメートル)。また時間はt(単位は秒)を使って表されます。「ある時刻tのとき…」などのように使います。このように物理で使う量(物理量)を表すときに英語の文字をあてて使います。

距離 x[m]、y[m]、z[m]、L[m]

時間 t[s]

今回は波の物理量について紹介します。波の分野では主に5つの物理量が出てきます。そんな物理量について#02で学んだ①y-xグラフと、②y-tグラフから、波を表すために必要な記号について見ていきます。

① y-xグラフに現れる物理量

y−xグラフは「ある時刻の波の形」を示しています。谷と山の1セットの長さ(1つの波の長さ)を1波長といいλ(ラムダ)[m]で表します。1λ、2λ、3λと数えていきます。また波の山や谷の高さを振幅といいA[m]で表します。

平均値からの高さになるので注意してください。よく山の頂上から谷底までを振幅Aと思い込んでいる生徒が多くいます。また波が進む速さはv[m/s]で表します。これはy-xグラフ1枚ではわからないところなのですが、よく上のほうに→とともにvとして表されます。

② y-tグラフに現れる物理量

y-tグラフは、「ある場所の媒質の運動の様子」を示します。媒質が上下に1回振動するときの時間を周期といい、T[s]で表します。

またある媒質が1回振動するということは1つの波がその場所を通ったということを表します。これもとっても大切なことです。こちらを御覧ください。

周期=その場所を波が1つ通るのにかかった時間ということになります。

よくTとλをグラフから読み間違える生徒がいますが、それはy−xとy−tグラフの混同に原因があるので注意が必要です。また山や谷の高さをAで表すのはy−xグラフと変わりません。

最後に振動数について紹介します。これがまたわかりにくいところですが、振動数とは1秒間にある媒質が何回振動するのかを示します。振動数はfで表され、単位はHz(ヘルツ)を使います。例えば1秒間である媒質が2回振動したとします。このとき振動数はf=2[Hz]ということになります。

振動数と周期の関係

周期Tと振動数fは、同じようなことを表している物理量です。周期とは、ある媒質が1回振動するのにかかる時間のことをいいました。また振動数とは1秒間で何回振動するのか?を表しています。

ですからたとえば1Hzということは1秒で1回振動するので、周期は1秒となります。また2Hzのときは、1秒で2回振動するので、周期、つまり1回振動するのにかかる時間は0.5秒となります。同様に3Hzのときは1/3秒、4Hzのときは1/4秒となります。

表にしてまとめると、

f[Hz] 1 2 3 4
T[秒] 1 1/2 1/3 1/4

つまり

­T=1/f

ということ関係があります。

波の式

最後に波動分野でもっとも大切な「波の式」について紹介します。次の図のように、原点の媒質が振動数2Hzで振動している時を考えます。

振動数が2Hzということは1秒間で媒質が2回振動をしたということになります。ということは、図のように2つの波が1秒で原点を通過したということになります。

ですので原点にあった波の先頭が1秒あたりで2λ[m]移動していることがわかります。1秒間に移動する距離のことは速度といいます。ですからこのときの波の速度vは2λということになります。「2」という数字は、振動数fのことを示しているので、

v = fλ

(速度 = 振動数 × 波長)

 ということが言えますね。この公式は波動分野でもっとも大切な公式です。以上が波動分野でつかう物理量です。ここまで波でおぼえておくべき記号と、その記号が示すものをまとめておきました。

続きます。

一見波には見えないけれど…縦波を解き明かす?【スマホで物理 #04】

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波については拙著も参考にしてみてください。

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桑子 研(くわこけん)
 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。