間違いやすい!ばねを両方から引っ張ったときの力エネ計算

現在、夏季講座をおこなっていますが講座後にいろいろな質問を生徒から受けます。そんな中でおもしろい質問で、これはたしかに間違いやすいかも?!という質問を受けました。

一見するとあっているようにみえるのですが、どこが違うのでしょうか。

その問題は次のようなものです。ばね定数がkのばねを両端から引っ張って、全体の長さを自然長からx[m]伸ばしたときに、ばねに蓄えられる弾性エネルギーを求めなさい。

両端から引っ張っているということに注目をして、質問をした生徒は

と、x/2の半分の伸びのエネルギーが2つあると考えたようです。実際に計算をしてみると、

となります。ですが正解は、

です。

さてどこがどう違うのでしょうか?またはこの両方から半分引っ張ったということからも弾性エネルギーについて、同じ答えが導かれるのでしょうか。

正解は

 まずばねを両方から引っ張ってx伸ばしましたが、これはばねの片方を固定して、x引っ張った状態と同じこと。ばねを伸ばすためには、両方から引っ張る必要があるためです(固定していないばねは引っ張ることができません)。ですから答えは となります。

またバネをそれぞれ2/x伸ばしたと考える場合には、それぞれのバネを半分にして引っ張ったとみれば、力学的エネルギーは同じ答えにたどり着きます。半分のバネは、バネ定数が2倍になります(バネが伸びにくくなるためです)。

この2kになるということに気がついていれば、この考え方でも導くことができました。

いかがでしたでしょうか。ちょっとしたことですが、考えていくと面白い問題ですね。このようなわかりにくさは、質問をされたときにはじめて気がつくので、やはり現場の生徒の様子を見ていくことは大切なことだなと感じました。

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プロフィール

桑子 研
桑子 研(くわこけん) 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。