現場で「ホントウに」使えるICTとは?触って学べる実験教室@鹿児島

 平成29年8月5日(土)、鹿児島県にて出張NSAである『現場で「ホントウに」使えるICTとは?触って学べる物理実験教室』を開催しまいた。

場所は鹿児島県立甲南高等学校の物理実験教室です。県高等学校教育研究会理科部会のM先生からご依頼を受けて実施しました。参加された先生方は、鹿児島県の主に高校で物理を担当されている先生方で17名でした。当日は台風が近づく中、本当に実施できるのかどうか危ぶまれましたが、現地の鹿児島の先生方が1名の欠席をのぞいて集まっていただけたことに驚きました。

実験教室の様子

鹿児島県まで実際に行っての講演であったために、いろいろなものをご紹介したいと思い、特別にプログラムを作りました。内容としては、実際に私が授業で導入しているICTを使った実験の紹介と体験、iPadで授業に使えるアプリの紹介、電子黒板のデメリット・メリットを踏まえた活用方法や導入するときの注意点などのお話をしました。

今回とくにこだわったのは「触って学べる」という点です。先生方のタブレットの事前にアプリを入れてきてもらい、このアプリはこのような場面で使えるので、やってみましょう。というような形で、実際の授業の場面を再現して、体験をするという場を設けました。

モーションショットや超速300連射がどこで使えるか?というのを体験しながら考えることができるように組みました

定常波を作るときのコツをお伝えしている様子です。手首のスナップを利かせるのがコツです。

また理科教材会社のナリカさんにご協力をいただき、「イージーセンスビジョン」や、最近発売された「イージーセンスV-HAB」などを用意して、センサーがどういったものかを体験する機械や、実際に実験をしてもらうなどの体験を行いました。

イージーセンスなどのセンサー機器は今後の理科教育に必須の実験道具なのですが、値段が高いというデメリットがあります。しかし、1つもっているといろいろな場面で使えるので、まずは1つ買ってみてほしいという思いがあり、ご紹介しました。

また最後のまとめとして、特に強調をしたのはICTで実験を省略することはできないという点です。ある学校を見学にいったときに、電子黒板を使っていろいろな実験動画を見せて、授業をすすめるという事例を見せていただいたことがあります。実際の授業では、実験も導入しているのだとは思いますが、やはりICTは授業の「補助ツール」であると思います。

実際の生徒を目の前にした授業では、手を動かして実験をすること、自然現象を目でみて、肌で感じること、などが大切です。現場で生で、歴史ある実験には足元にも及ばないと思っています。実験を多い授業を行うため、効率的に授業をすすめるため、見えないものを見る(電流や音など)ため、の「ICT」なのだとういことを強調させていただきました。

先生方の様子を講座を行いながら伺っていたところ、実際に触ってみることで、どのようなシーンで使うことができるのかが良くイメージできたようです。バネを振って定常波を作りアプリをつかってその様子を見るという実験例では、先生方が特に集中をしたのか、私が集合の合図をかけなければずっと行っていそうな、そんな雰囲気でした。鹿児島までの旅費までもいただいてしまったので、その分の働きはしたかったのですが、なんとか満足をしていただけたようです。

アンケート結果

アンケートをとってみると、回収できた13のアンケートのうち、

①ICTの活用講座は参考になりましたか?

では、5段階評価で5が13名、4〜1が0名、という結果になりました。

また感想としては、

・iPadを部活の動画撮影用に購入し、それ以外に授業でも利用できないかなぁと感じていた時に、この講座の事を知りました。様々なアプリが存在する中で授業にも利用できそうなものや、周辺器について知ることができとても良かったです。それと同時に、自分自身も様々な機械に興味をもち、使い方を学び続ける必要性を実感しました。今日は本当にありがとうございます。自分にできることから挑戦してみたいと思います。

・ICTと聞くと、授業内容をプロジェクターに映したり、動画を見せて授業をするやり方が多く見られるが、理科野中では実験で使えるので、そこをもっと勉強していこうと思いました。

・ICT活用で教材をより身近に感じる事ができました。使い方、ソフトもわかりやすいものばかりで、すぐ使っていけそうです。何より講座を受けながら授業アイデアがいくつもうかんだので、良かったです。ありがとうございました。
→ 浮かんだ授業アイデア、ぜひ今度教えてください(桑子)

・すごく楽しみにしていました。ブログも2〜3日に1度は拝見しています。授業時間んお関係から実験時間の確保に苦戦していますがやはり”生”は良いなと再認識したので、教材研究頑張りたいなと思っていました。ありがとうございました。

・iPadでできることが多くあることがわかった。高価な教材を購入しなくてもできることがある(しかも無料のアプリで)
各アプリに慣れて自分自信も使ってみたいと思いました。

・ICTは補助(タブレット=ファーストではない)であることが明確になって安心しました。設備投資、維持費を考えると取り組みをためらう分野なので。
ただ使用デバイスとしてはやはりiPad(Apple,Mac)なんですねぇ…

→ iPadでなくてもいいと個人的には思っていますが、iPadを採用すると良い点を今回は紹介させていただきました。もちろんiPadゆえのデメリット(例えば高価である)などがあると思います。(桑子)

・iPadをどう使えるのか?答えがなく、興味はあっても購入までいたらなかったが、この機会に購入しました。今日学んだことをぜひ物理の先生にお伝えして、授業でも活用していただきたいです。ブルーバックスを購入して読んでいますが、大変わかりやすいです。ありがとうございました。

・かなり高度にICT教育もなってきている印象 授業でぜひ活用したいと思います。大変参考になりました。ありがとうございました。

・「ICTは補助」納得です。
・iPad、機会を見つけてさわっておきたいです。

・ICT機器がコンピューターと連動しているイメージがあったが、スマホやタブレットでこんなに拡張性が高まるということを初めて知りました。是非活用できるように努力し、また楽しんで授業ができるようになりたいと思います。本日は貴重なお話ありがとうございました。

・モーションショットを最近つかいはじめており、こんな使い方もあるというヒントをもらえ、ExplainEverythingでの動画を生徒へQRだけではなくARをつかってということを明日から実践しようと思う。ICTを使ってこんなに教える側の自分も感動するので、生徒へ一つでも多くかんげんしていきたい。まずは300連射とトーンジェネレーター、Kocri、ARを今の自分に取り入れようと思う。とても充実した時間です。

→ ありがとうございます。ARの「マチアルキ」は有料なので体験という程度にとどめました。授業に実際に導入するまでにはいたっていないアプリでありますが、ARが今後一般に浸透をしていくということは間違いないと思います。そこに備えておく必要がありますね(桑子)

・iPadはまだ使い始めなので、有効なアプリの存在を知ることができ、とても参考になりました。この2時間の中ではそしゃくできないこともたくさんあるので、学校に帰って改めて復習したいと思います。分からないことがあったら質問するのでよろしくお願いします。

→ メールいただければ少し返信までに時間がかかることがありますが、必ずお答えしますので、いつでもご相談ください(桑子)

・授業でのICT活用方法のイメージが明確になりました。
・多くのアプリを活用することで生徒に理科の楽しさを教えていこうと思います。

以上です。なお当日の様子が「物物会(鹿児島)」のブログでも載っております。ぜひ御覧ください

台風が近づいているという凄まじい状況の中、無事実施できたのは奇跡的でした。参加いただいた皆様、またM先生、本当にありがとうございました。当日はその後に懇親会までひらいていただき、現場の先生方の実践や研究会の熱気、また悩んでいることなどいろいろと情報を教えていただきました。

別件ですが、ICT活用講演会等の機会がございましたら、他県の先生方もお声がけいただければと思います。日程によりますが、あえば行いたいと思います。

PS

桜島の全景が見れず残念すぎる(泣)

 台風のために飛行機がうまく飛ばないと予想をして、鹿児島での宿泊日数を増やしたのですが、鹿児島で出会う人たち(学校の先生方や道行く人、またタクシーの運転手の方)の人柄や食べ物のおしいさ(「まんまるや」という東京では食べられないお魚を安くてその場でおいしく調理をしてくれるお店に感動。

煮付けやお刺身などお腹いっぱい食べて3000円程度でした。ぜひ訪れてみてください。おすすめです)しました。沖縄には一度いってからハマったことがあるのですが、鹿児島も今度は観光に訪れようとおもいました。

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桑子 研(くわこけん)
 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。