2つの実験を同時に交互に!電流が作る磁場の実験の紹介

効率的に実験を行いたい…

実験を効率的に行いたい…、そう思うことってよくありますよね。ぼくもいろいろ試行錯誤をしながら、どうすれば短時間で実験を終えて、実験の回数を増やすことができるのだろうかということをよく考えています。

そこでオススメなのが、生徒が説明を受けただけで安全にできる実験Aと、教師がべったりと張り付かなければできない実験Bを組み合わせて、クラスを2つにわけて交互に同時に行うという方法です。

今日は実際に4月26日(水)におこなったパスカル電線をつかった実験をご紹介します。ちょうどこの日はJICAの事業でケニアから訪問した教育関係者6名による、中学2年生の理科1の授業の写真をつかってご紹介します。

 この日に行ったのは電流が作る磁場の様子を観察する実験です。4人で1班、合計11班の班を組んで、その半分の6班と5班でわかれてAの実験とBの実験を交互に行いました。

生徒が安全にできる実験A:磁石が作る磁場

Aの実験は、磁石の上にシートを敷いて、砂鉄ふりかけを高い位置からかけて、磁界の模様を観察する実験です。短時間でいろいろな磁界を観察できるように、iPadをつかって磁界ができた時点で、撮影をさせました。撮影をすることにより、先に実験をしてあとでスケッチというように、実験を終えることができるというところが良い点です。

砂鉄ふりかけの指導は高い位置からかけるようにということを伝えています。モコミチのように。

かけたら用紙を軽く叩きます。

模様ができたら、iPadで撮影して、別の磁石の配置を行い、また砂鉄をふりかけます。

実験がすべて終わったら、iPadをみながらスケッチをします。スケッチに時間がかかるので、これだけで20分くらいでしょうか。

教員がはりつくBの実験:電流が作る磁場

Bの実験は、パスカル電線を使った実験です。パスカル電線とは、中に10本の導線が入っている電線で、両端の端子を交互につなぐことによって、電流が10周するようにしているものです。10周しているので、例えば2Aの電流を流すと、電線にはその10倍の20Aの電流が流れているということになります。生徒にはこのことは黙っています。

電源装置で高い電圧をかけることにはかわらないので、電源装置の前には近寄らせないようにしています。

この電線は、実験室に合うような長さになるように手作りをしたものです。小森栄治先生から教えていただき、実際に電線を購入して、はんだ付けをして作りました。簡単に作ることができます。

実験準備として、教室の後ろのほうにスタンドをつかって電線をはわせています。ちょっと不気味ですね(^^;) この這わせ方がポイントです。

実験ができる電線がたるんだところに、緑のビニールテープをつけています。こうすることによって、「緑のテープのあるところにいってください」というように指示をすることができます。

実験はまずは電流のまわりにできる磁界を調べる実験をしました。電流をながすと方位磁針が動き、とめるともとに戻るということに、生徒は小学校で学習をしていたようですが、見たのははじめてのようで非常に驚いていました。

次に行ったのが、電流が磁界を作るとすれば、磁石と反応をするはずだよね、と説明をした上で、電線に磁石を近づけてみる実験です。

電線がどちらに動くのかを確認して、記録しました。電線に電流を流すと、電線が引き寄せられたり、離れたりする様子に驚いていました。フレミング左手の法則は小学校ではやっていないので、この後の授業につながっていきます。

僕自身は実験Bのほうに付きっぱなしにしておき、助手さんに実験Aの方全体を見てもらいました。だいたい20分で交代でき、20分×2=40分で終えることができます。説明を加えて、まとめると授業時間50分がぴったり終わります。

このような実験AとBをうまく探すことができると、組み合わせで大きな効率化ができるのでおすすめです(^^)

なおケニアの先生がたも非常に熱心に聞いていただきました。ケニアでこの授業を行うとしたら、どういったものが必要なのか、またこの電線はどうなっているのか、などなど、いろいろなことを聞かれました。

この日は授業が4時間もあって大変な日でしたが、授業を実際に見ていただき、ちょっとした工夫について気がついてくれたり、また生徒と交流をしている様子に感激しました。

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桑子 研(くわこけん)
 1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。